
野党は大きく一つにまとまるべきだと主張してきた。世間からは、立憲民主党と国民民主党の合流協議がなかなかうまくいかないのは、両党がお互いの立場にこだわっているためだとみられている。
2党だけではなくもっとウイングを広げ、れいわ新選組なども含めて大きく結集することを前提にすれば、両党の間の違いも「小異」になる。
新しい政権のイメージを作る
一つにまとまると言っても同じ党になれるところは限られている。だから連立政権構想が必要だ。そして政権構想に必要なのは理念と政策だ。理念と政策を協議するテーブルを作り、そのうえで選挙区調整をする。
共産党とは選挙で候補者調整を行い、閣外協力となる。「一つの政党」「連立」「閣外協力」という3段階のあり方で野党が一つになる。
立憲や国民には民主党政権の悪いイメージが残る。そこを超えるためにも2党にとどまらない連立政権構想を示して新しい政権のイメージを作ることが大事だ。
こんどこそ約束を守る
そのためには旗印となる政策を具体的にわかりやすく示さなければならない。今は野党がどのような国を目指すのか、国民に伝わっていない。
旗印は消費税減税と地域活性化だ。この二つを柱に政党が集まれば自民党と対峙(たいじ)できる政権政党のイメージはできる。民主党は約束したことができなかった、消費増税をしないと言ったのに約束を破った、と繰り返し言われる。
国民に対する約束としては、ゼロではなくマイナスのことをした。だから同じ約束を今度は守るという決意を示さなければならない。
大事故でさとった使命
昨年11月に奈良県内の国道で乗車中の車が山側擁壁に激突する事故にあった。内臓を損傷し、右足首と左手首を骨折し、全身打…
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馬淵澄夫
元国土交通相
1960年生まれ。2003年衆院初当選。国土交通相、民進党選対委員長などを歴任した。政治団体「一丸の会」代表。衆院比例近畿、当選6回。無所属。耐震偽装事件の追及で知られ、福島第1原発事故では首相補佐官として対応にあたった。