
フードロスはまだ食べられる!
フードロスは間違った認識をされることがある。フードロスというのは食べられないような「生ゴミ」とは違い「まだ食べられるのに捨てられる食材」を意味している。つまり、フードロスはまだ食べることができるということだ。
フードロスの中でも家庭で作りすぎたり買いすぎたりすることにより余ってしまう「家庭用フードロス」と食品関連事業者のだす「事業用フードロス」の大きく二つに分けられている。
事業用というのは具体的に、精肉店であまり好まれて買われないような切れ端、農家や八百屋で出た規格外の野菜、飲食店で使い切れなかった食材、3分の1ルール(注1)によって店頭に並ぶことなく廃棄される食材などさまざまな場面があげられる。
注1 3分の1ルール:製造日から賞味期限の3分の1がたつまでに納品されなければ商品価値が大きく下がり返品されたり廃棄されたりすること。
<ニュース知りたいんジャー まだ食べられる! 食品ロス減らそう>
フードロスを活用するTrash Kitchen
私と6人のメンバーで運営するTrash Kitchenでは、「まだ食べられるのに捨てられている食材」であるフードロスを活用したレストランを運営している。私たちは主に「事業用フードロス」を活用し、おいしい料理に変身させてお客様に提供している。私たちは大分県別府市でこれまで4カ月間のテスト運営を行ってきた。現在はそこで得たものを生かして第1店舗開店に向けて活動中だ。
Trash Kitchenで活用したフードロス
私たちが別府市で行ったテスト運営では主に、地域の飲食店・精肉店・八百屋の方からフードロスを頂いたり買い取ったりしていた。以下が実例だ。
ハンバーガーショップ:ハンバーガーでは使いにくい輪切りトマトの直径が小さい部分
火鍋屋:食材を生の状態で提供することになるので見た目が悪い肉や野菜
精肉店:買われにくい肉の切れ端
八百屋:パッケージや野菜・果実の一部に傷が入ってしまったもの
このように、それぞれの店舗によってさまざまな理由でフードロスがでている。
Trash Kitchenが生む新たな「食の価値」
近年では、食の利便性を追求するあまり大量生産大量消費が当たり前となり、食べる意義や食べることについて考える機会が減っている。食はときに人々を笑顔にするが、ときに社会問題の原因ともなりうる。
その中で、Trash Kitchenは環境に良いだけではなく、関わる人々にとって新たな食の価値を提供する飲食店であることを目指している。「どのようにどのような人から生産された食材なのか」などの情報を顧客に伝えたり、サルベージパーティー(家で余った食材を持ち寄って行う料理会)を行ったりする。
そのようにして、自分が食べる物のことをより深く知り、時に人と一緒に作り料理を楽しむことは、食をより楽しむことにつながると私たちは考えている。
Trash Kitchenの今後の動きに関してはSNSで発信していく予定だ。
石田桜
Trash Kitchenメンバー
1999年生まれ。2019年大学の仲間とともにTrash Kitchen(フードロス削減を目的にしたレストラン)を設立。きっかけは内閣府青年国際交流事業「世界青年の船(第31回)」に参加し環境問題について外国人青年たちとディスカッションしたことだった。テスト運営期間にはイベント企画や広報活動、全体の戦略マネジメントなどを行った。現在はTrash Kitchenの本格的な事業化に向けて活動中だ。立命館アジア太平洋大学3年。
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