櫻田淳さんのまとめ

日本の主権に脅威与える中国 「お手々つないで」とはいかぬ

櫻田淳・東洋学園大教授
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櫻田淳さん=根岸基弘撮影
櫻田淳さん=根岸基弘撮影

 「同盟」の意味を考えるのは、実は難しい。国際政治は「皆、仲良く。お手々つないで……」という願望が通用する世界ではない。ゆえに、<ごきげんマウス>さんが示している「みんなと組んで、特定の誰かと組まない」仕方は、一つの「理想」であっても、さまざまな条件がそろわなければ、「現実」の裏付けを持つ政策にならない。

 史上、「特定の誰かと組まない」姿勢に徹することができたのは、19世紀の英国を一つの事例とする。往時の英国は、産業革命後の「覇権国家」としての圧倒的な権勢を背景にして、「光栄ある孤立」を謳歌(おうか)していたのである。

 明治以来、日本は、「経済大国」としての絶頂を迎えた1980年代ですら、そのような圧倒的な権勢を手にしていたわけではない。日本にとっては、どのように自らの立ち位置を認識しつつ誰と組むかということは、切実な課題であったのである。

 読者各位から寄せられたコメントも、日本の立ち位置がどのようなものだと認識するかによって、意見が分かれているようである。たとえば、<新宿の風>さんは、「民主主義や人権、環境問題などの点ではトランプ政権下の米国には不確実性があるものの長期的には米国及び西側諸国との連携はやはり必要で、中国ロシア北朝鮮と価値観は同じでない」と書いている。

 また、〈はるこ〉さんは、「覇権を広げる中国に対峙(たいじ)する為(ため)に、日本がアメリカだけでなくインドやオーストラリアなどの太平洋諸国との同盟を広げて行く事はとても重要だと思います」と書いている。

 このご両人の意見は、日本の対外政策路線の主流として語られてきた「対欧米協調」の考えを反映したものであるといえる。これに対して、<武蔵>さんが示しているように、「アジアの中で生きて行くのが一番だし、馴染(なじ)む。となれば、最終的には『アジア』の諸国民と共に生きて行く“盟約”というべきか『外交』を目指すのが正解と…

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櫻田淳

東洋学園大教授

1965年生まれ。専門は国際政治学、安全保障。衆院議員政策担当秘書の経験もある。著書に「国家の役割とは何か」「『常識』としての保守主義」など。フェイスブックでも時事問題についての寸評を発信。