横浜市が誘致を表明しているカジノを含む統合型リゾート(IR)には反対だ。2016年参院選から神奈川選挙区の議員となり、横浜港の再生に関わることになった。その頃、国会で日本にカジノを作ろうという動きが活発化すると、林文子市長は「興味がある」と言うようになった。その後の17年市長選では「白紙」といって濁したが、19年8月になって手のひらを返したようにカジノ誘致を表明した。この林市長の言動への反発もあって、カジノ反対の声は大きく広がってきた。
カジノは経済活性化にならない
政府はカジノを成長戦略の一つに位置づけるが、カジノは経済を良くするどころか悪くする。モノを作って売ったり買ったりという生産性のある活動ではなく、お金を巻き上げるバクチで経済活性化などできるわけがないのだ。
地域の活性化にもなるというが、食事もショッピングもIRの中で完結すれば地域経済が潤うことはない。韓国のカンウォンランドは、カジノができたために街が衰退してしまったではないか。
横浜市は市の財政に年間800億から1200億円入ってくると説明するけれど、それは業者側の試算だ。今から参入しようとしている業者が「もうかります」と試算してくるのは当たり前の話で、そんなものを鵜呑(うの)みにして観光の目玉にしようとするのが間違いだ。
世界的に見てもカジノ市場は飽和状態にある。いまさら世界のお金持ちがカジノをするために横浜に来るとは思えない。カジノ業者が狙っているのは国内の富裕層だろう。だからインバウンド(訪日外国人客)増加にはつながらない。
うみが出たIR汚職
何より深刻なのは、ギャンブル依存症が増えてしまうことだ。カジノはギャンブル依存症製造機。作らないのが一番だ。
そして懸念されるのは街の環境悪化だ。よくバクチにつきものと言われる「飲む・打つ・買う」。世界の他のカジノでも、周辺に性風俗関係の仕事が増えるといった…
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