麗しの島から

新型コロナ 用意周到だった台湾の学校再開

福岡静哉・台北特派員
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校門で子供たちの体温を測定する教師や保護者ら=台北市中山区の長安小で2020年3月11日、福岡静哉撮影
校門で子供たちの体温を測定する教師や保護者ら=台北市中山区の長安小で2020年3月11日、福岡静哉撮影

 世界各地で新型コロナウイルスの感染拡大に伴い学校の休校が相次いでいる。3月16日夕時点で感染確認を67人に抑え込んでいる台湾では、小中高校で通常と同様の授業を続けることができている。台湾政府は、早い段階で中国からの人の流れを止めて感染拡大を防ぐと同時に、授業再開の準備を着々と進めていた。

 「36・5度、平熱ですね」

 「忘れずに手を消毒しましょう」

 3月11日早朝、台北市中山区の長安小学校(児童数約500人)を訪ねると、校門で教師らが児童たちのおでこに体温計を当てていた。続いて児童たちは校門を入ったところにある消毒場所で手を念入りに消毒する。体温測定は教師だけでは足りないので、保護者が交代で協力する体制だ。

 校門の柱にはこんな掲示がされていた。「保護者は校内に入らないで」「訪問客はマスクをつけて体温を測定した後、手を消毒しない限り立ち入りできません」

 「記者さんもお願いします」。保護者に促されて私も体温測定と消毒を済ませ、校内に進んだ。廊下に設置されたテレビには、日本でも幼児教育教材でおなじみのキャラクターが手洗いの方法を教える映像が流れていた。この映像は一日中、再生されているという。

 長安小の登校ルールは、台湾政府が策定した学校での防疫に関する基準に基づいている。自宅での検温で38度以上の発熱があれば登校はできない。登校後、校門での体温測定で37・5度以上の発熱があれば、校内に用意した休憩室で待機。保護者に連絡し、病院に行くよう促す。休憩室は教室から離れた場所にあり、5人分の座席を用意してある。各座席の間は十分な間隔が空けられている。

 各教室には「防疫検査表」と記した紙が張り出されている。始業前の換気と、机や学用品などの消毒▽始業前と昼食前の手洗い▽発熱やせきの有無など健康状態の確認▽食器共用の禁止▽ドアノブや水道の蛇口などをこまめに消毒――といった項目を守れているかどう…

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福岡静哉

台北特派員

1978年和歌山県生まれ。2001年入社。久留米支局、鹿児島支局、政治部などを経て2017年4月、台北に赴任した。香港、マカオのニュースもカバーする。