佐藤まさひさの「守るべき人がいる」

「群れ」でやってくるドローン攻撃 日本の対処は

佐藤正久・前副外相
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佐藤正久氏=宮武祐希撮影
佐藤正久氏=宮武祐希撮影

 米国によるイラン革命防衛隊「コッズ部隊」のソレイマニ司令官の殺害にはドローン(無人機)が使われた。「戦争」に新しい時代が来ている。

 ドローン攻撃は年々、単独攻撃だけではなく巡航ミサイルと組み合わせるなど、複雑化、高度化しており、近年は人工知能(AI)が使われるようになっている。

 自分で目標を見つけて攻撃する。自動車の自動運転が進んでいるのと同様に、このAIが加速度的に賢くなってきている。

 ドローンを動かす電波をどう妨害するかということからサイバー・電磁波分野にもつながる。位置情報という点では衛星を使ったGPSが関係してくる。「宇宙」「サイバー」「電磁波」「ドローン」という組み合わせがこれから急速に増えていく。

 現在問題になっているのは「スウォーム」と言って、小型のドローンを群れのようにして大量に投入する。夜間に侵入し、赤外線で敵を発見し攻撃する。米国や中国が開発しているが、こうした方法で攻撃された場合、全機を打ち落とすのは非常に困難だ。

 こうしたことに対応するにはどうしたらいいか。日本の場合は防衛省の装備を独自開発する力は限定されているので、民間企業に頼るしかない。ところが日本の防衛産業は米国などとは違い、市場が国内しかないために規模が小さい。

 三菱重工でさえ民生用が圧倒的な割合を占める。企業がなかなか防衛装備の研究開発に人材と資金を先行投資できない。これでは米国や中国に勝てるはずがない。

 実際には技術面での軍事と民間の境目はほとんどなくなっている。GPSも自動運転もそうだ。自動車についている衝突防止装置も元になったのはF2のフェーズドアレイレーダーの技術だ。ボーイング787の複合素材もF2に使われていたものだ。

 米中貿易摩擦でも、中国の国有企業補助金、知的財産の盗用、強制的技術移転などが問題になっているが、宇宙・科学技術の分野でも国策として米国のGPSに頼らない自前のG…

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佐藤正久

前副外相

1960年生まれ。2007年参院初当選。防衛政務官、参院外交防衛委員長、参院自民党筆頭副幹事長などを歴任。参院全国比例、当選3回。自民党竹下派。自衛隊のイラク派遣で先遣隊長を務め、「ヒゲの隊長」と親しまれている。