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西田亮介さんのまとめ 受け入れられていない民主の「反省」

西田亮介・東京工業大学准教授
西田亮介さん
西田亮介さん

 かつての民主党をめぐるテーマはネットで大人気だ。筆者の呼びかけ記事「ご意見募集 『民主党の反省』もう十分か、まだ不十分か」はまたたく間にネットで拡散され、コメント欄の150件近い書き込みや280件近い「はてなブックマーク」を筆頭に多くの関心をもって受け止められた印象だ。

少ない肯定的なコメント

 ただしいささか残念な点は、「反省など聞いたことがない」「反省していたら、こうはなっていない」といったステレオタイプ的批判や、筆者が「民主党はすでに十分反省したと主張している(実際には鉢呂吉雄元経済産業相の寄稿を紹介し、どう評価すべきか呼びかけている)」といった本文に目を通していないとおぼしきコメントが多かったことだ。

 筆者は書き込まれたコメントのすべてに目を通したが、肯定的な書き込みは非常に少なかった。もちろん書き込みの数もコメントの数も「マジョリティー」だと断じるに至るほどのものではないが、「民主党について積極的かつ、肯定的な書き込み」はほとんど見当たらなかったこともまた事実である。

民主党の「反省と総括」

 せっかくの機会なので事実を確認しておくと、内容の是非とそれらが認知されているかどうかは別として民主党は一応反省と総括を行ってきた。それらのうちのいくつかはいまもオンライン上で読むことができる。

 まず一読すべきは以下の二つの報告書だ。

 民主党(2013)「党改革創生本部 第1次報告…

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東京工業大学准教授

1983年生まれ。博士(政策・メディア)。専門は社会学、公共政策学。著書に『メディアと自民党』(角川新書)、『なぜ政治はわかりにくいのか:社会と民主主義をとらえなおす』(春秋社)、『情報武装する政治』(KADOKAWA)、『ネット選挙 解禁がもたらす日本社会の変容』(東洋経済新報社)など多数。近著に「コロナ危機の社会学 感染したのはウイルスか、不安か」(朝日新聞出版)。ツイッター @Ryosuke_Nishida