非常中国

コロナの時代をどう生き延びるか 武漢市民から学ぶ

浦松丈二・中国総局長
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3月下旬から外出規制が段階的に緩和された武漢市の繁華街でマスクをつけたままハグする市民=4月4日撮影、武漢市民提供
3月下旬から外出規制が段階的に緩和された武漢市の繁華街でマスクをつけたままハグする市民=4月4日撮影、武漢市民提供

 何日ぶりに会えたのだろうか。中国湖北省武漢の繁華街で、マスクをしたままハグするカップルを、通行人たちが温かく見守っていた。世界で初めて新型コロナウイルスによる感染爆発が起きた武漢市の都市封鎖(ロックダウン)が8日に解除された。

 人口1100万人の大都市・武漢は1月23日から空港や鉄道駅が閉鎖され、市民の外出が厳しく制限された。同市の累計感染者は約5万人、死者は2500人以上に達している。隔離された家族を見舞うことも、大切な人が遺体になっても触れることもできない悲劇が繰り返された。

 私たちは武漢の経験から何を学べばいいのか。中国の通信アプリ・ウィーチャットを通じて寄稿してもらった小学4年生から58歳まで武漢市民10人の体験をその背景と共に紹介する。

 寄稿の多くは封鎖直後のパニック状態から書き起こされている。大学生の女性(22)は「恐怖の感情を抑えることができなかった。ニュースを見て、その日の感染者と死亡者の人数を確認していた」と振り返る。

 民間企業勤務の女性(28)は「(武漢だけでなく)湖北省内や他省でも次々と都市が封鎖され、焦りと恐怖で胸がいっぱいになった」「新型コロナウイルスとは呼吸一つの(非常に近い)距離しか離れていない感覚だった」と指摘する。

 突然の封鎖がパニックを引き起こしたようだ。自営業の男性(27)は封鎖2日前でも「満席のレストランでは誰もマスクをしていなかった」と証…

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浦松丈二

中国総局長

1991年入社。佐世保支局、福岡総局、外信部を経て、98~99年台湾師範大学留学。中国総局(北京)、アジア総局(バンコク)で計12年勤務。現在は中国語圏の若者カルチャー、文化交流などを取材している。