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大阪府知事人気に表れた政治不信の根深さ

平田崇浩・世論調査室長兼論説委員
記者らの質問に答える大阪府の吉村洋文知事=大阪府庁で2020年5月7日、菱田諭士撮影
記者らの質問に答える大阪府の吉村洋文知事=大阪府庁で2020年5月7日、菱田諭士撮影

 大阪府の吉村洋文知事に評価が集中したのには率直に驚いた。もう少し東京都の小池百合子知事と拮抗(きっこう)するのではないかと予想していたからだ。安倍晋三首相の評価が低いのは理解できる。想像以上だったのは、野党にも向けられた政治不信の根深さだ。

「コロナ対応で評価する政治家」吉村氏断トツ

 毎日新聞と社会調査研究センターは5月6日、携帯電話のショートメール機能を使った2回目の全国世論調査を実施した。コンピューターが無作為に数字を組み合わせた番号に電話をかけるRDS法により、まず自動音声応答(オートコール)で調査への協力を求め、承諾した人にショートメールで回答画面へのリンク情報を送る。回答者はウェブの画面で質問に答える方式なので、こちらが用意した選択肢から回答を選んでもらう設問だけでなく、自由に書き込んでもらう設問も可能なのが大きな特徴だ。

 今回、「新型コロナウイルス問題への対応で、あなたが最も評価している政治家の名前を1人挙げてください」と問いかけたところ、携帯調査の回答者575人中401人が具体的な政治家を1人挙げてくれた。そのうちの半数近くに及ぶ188人が吉村知事の名前を挙げたのである。回答者575人を分母にすれば33%。3人に1人の計算になる。

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世論調査室長兼論説委員

1967年生まれ。広島県三原市出身。89年入社。97年から政治部。さいたま支局長、世論調査室長、政治部編集委員、論説委員を経て2020年から2回目の世論調査室長。