
「今日からお肉やめるよ」
母にそう宣言し、僕自身3年間続けているヴィーガン生活。ヴィーガンとは、日本語では「完全菜食主義」や「脱動物利用主義」と訳され、肉類や魚介類をはじめ卵や乳製品などの動物性食品の消費を避ける考えやライフスタイルを指します。食事の他にも、ファッションやコスメなどでも動物性素材が使用されているものは極力選びません。
日本では最近耳にするようになった「ヴィーガン」という言葉。一方、欧米などでは既にヴィーガン食品がスーパーに並んでいたり、飲食店等で対応メニューが提供されていたりと、取り組みが進んでいます。日本においても、昨年から対応商品や飲食店が増加し注目を集めました。
このように各国でヴィーガンが広まる理由を考えるとき、「若者」は切っても切り離せない存在です。今回は、若者がヴィーガンにどのように取り組んでいるのかをお話ししたいと思います。
若者がヴィーガンに関心を持つ理由
日本においてヴィーガンに取り組む理由は大きく分けて「環境問題」「動物愛護」「健康意識」の三つです。ここでは、環境と動物の二つをお話しします。
まず、「環境問題」についてです。例えば、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの15~20%は畜産業によるものと言われています。特に牛のげっぷに含まれるメタンガスは地球温暖化の大きな原因です。その他の森林伐採や海洋汚染などの一つの解決策として、動物性食品の消費を避けるヴィーガンが注目されています。またヴィーガン食の他にも、培養肉や昆虫食など、食から環境問題へアプローチできる方法があります。

<環境と食料問題、動物福祉のために…“培養肉の父”目指すものは>
何より、人生100年時代と言われる今、これから70年、80年以上生き続ける若者にとって環境問題は人ごとではありません。このまま環境破壊が続けば、災害の被害が大きくなったり、四季折々の楽しみ(花見や海水浴など)がなくなったりと、ダイレクトに影響があります。
次に、「動物愛護」についてです。ヴィーガンが「脱動物利用主義」と訳されることがあるのは、そもそもの定義が「食用・衣料用・その他の目的のために動物を搾取したり苦しめたりすることを、できる限りやめようとする生き方」であることが理由です。
最近ではテレビや新聞のみではなく、SNSやWebメディア、動画サービスなど、情報を手に入れる方法が多様化しています。特に若者は、ネット上から得る情報量が多い。そのため、ドキュメンタリーなどで畜産動物のリアルな育成方法や扱い方などを知る機会が増え、ヴィーガンが広がるきっかけとなっています。
完璧ではない気軽なヴィーガンの取り組み
上記の理由から、ヴィーガンへ取り組もうと考える若者は増えています。ここで紹介したいのは、フレキシタリアンと呼ばれる柔軟にヴィーガン食を取り入れるライフスタイルです。日本ではゆるベジとも呼ばれます。

「自炊はヴィーガンだけど外食では気にしていない」「毎週3日くらいは菜食にしている」など、無理のない範囲で普段の食事に取り入れているフレキシタリアンは、ヴィーガンやベジタリアンよりも多いです。このような植物性食品の需要の増加に伴い、他先進国はもちろん、日本においても大手チェーン飲食店や食品メーカーから対応商品が提供され始めています。
<ケンタッキーフライドチキン 肉使わない「フライドチキン」 米国で試験販売>
まずは自分のできるところから
ただし、東京などの都市部では飲食店での対応や対応商品の販売が広まりつつあるとはいえ、実際にヴィーガンを実践するとなれば課題は多いです。対応メニューや商品の少なさに加え、それに伴う人間関係など。NPO法人やヴィーガンレシピサイト「ブイクック」を運営する中で、このような声は多くいただきます。

僕が大切に思っているのは「まずは自分のできる範囲から行動する」という考えです。100%が難しくても、まずは一食から、一品から始めてみるのもいいでしょう。今回紹介した課題を解決するために重要なことは、動物性商品を一切断つことではなく削減すること。
そのできる範囲を広げるため、つまりヴィーガンを選択しやすい環境をつくるためにこれまで活動を続けてきました。そして、現在ブイクックから『世界一簡単にできるヴィーガンレシピ本』を出版するために、クラウドファンディングを実施しています。
<『世界一簡単にできるヴィーガンレシピ本』を1,000人に届けたい!>https://camp-fire.jp/projects/view/234599
まずは、できる範囲から一つずつ取り入れてみてはいかがでしょうか。
皆さんはどう感じますか?コメントをお寄せください
投稿フォームはこちら