
新型コロナウイルス感染による死者数が3万人を超え、イタリアを抜いて欧州で最悪となった英国。犠牲者や重症者を民族・人種別に見ていくと、マジョリティー(多数派)の白人に比べ、マイノリティー(少数派)の黒人や南アジア出身者など移民とその子孫たちの割合が際立って高いことが明らかになってきた。これは英国だけにはとどまらない。感染者・死者共に世界で最も多い米国でも似た傾向が指摘される。また、感染拡大が比較的制御されていると指摘される北欧では、コロナ禍が「難民」を直撃していた。次第に実態が分かってきた、新型コロナ感染がもたらす「不平等な死」について報告する。
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服部正法
欧州総局長
1970年生まれ。99年、毎日新聞入社。奈良支局、大阪社会部、大津支局などを経て、2012年4月~16年3月、ヨハネスブルク支局長、アフリカ特派員として49カ国を担当する。19年4月から現職。著書に「ジハード大陸:テロ最前線のアフリカを行く」(白水社)。
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