科学とデータに基づく出口戦略を

森永卓郎・経済アナリスト、独協大学教授
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森永卓郎氏=藤井太郎撮影
森永卓郎氏=藤井太郎撮影

 5月11日の参議院予算委員会で、立憲民主党の福山哲郎幹事長が、確認されている感染者数と比べて、実際の感染者数がどれだけ多いのかをただしたところ、政府の専門家会議の尾身茂副座長は、「実は10倍か、12倍か、20倍かというのは、今の段階では誰も分からない」と答えた。安倍晋三首相も、「現在の感染者が、PCR検査で確定している感染者数よりも多いだろうと考えているが、どれぐらいいるかは申し上げられない」と答弁した。

 ある意味で、この答弁は正しい。日本は感染者数の調査をしていないからだ。もちろん、世界でも、どれだけの感染者がいるのかという市中感染率の調査をしている国は、それほど多いわけではない。ただ、先進各国は、日本よりもけた違いに多くのPCR検査をしているから、実質的には市中感染率の調査に近いデータが得られている。なぜ日本がPCR検査を拡大しないのか不思議だが、少なくとも現状の検査数を前提にする限り、感染実…

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森永卓郎

経済アナリスト、独協大学教授

1957年生まれ。日本専売公社、経済企画庁、三和総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング)などを経て独協大経済学部教授。専門はマクロ経済、計量経済、労働経済。コメンテーターとしてテレビ番組に多数出演。著書に「年収300万円時代を生き抜く経済学」(光文社)など。