韓流パラダイム

元慰安婦が支援団体告発 「被害者中心主義」はどこへ向かうか

堀山明子・ソウル支局長
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2020年5月7日、大邱市内で開かれた記者会見で正義連の不透明な資金運営を批判する李容洙(イ・ヨンス)さん=朝鮮日報提供
2020年5月7日、大邱市内で開かれた記者会見で正義連の不透明な資金運営を批判する李容洙(イ・ヨンス)さん=朝鮮日報提供

 韓国人元慰安婦の李容洙(イ・ヨンス)さん(91)が5月7日、支援団体について「寄付金が被害者のために使われていない」と記者会見で告発したのをきっかけに、団体の不適切な会計処理や前理事長の不正疑惑が次々報じられている。20日には検察当局が事務所に家宅捜索に入る事態になった。元慰安婦や支援団体を批判するのは韓国ではタブー視されてきたが、当事者である李さんがそれを打ち破った。彼女が投じた一石は、日韓関係にどんな影響をもたらすのだろうか。

 李さんは、2007年に米下院議会で証言をし、その経過が韓国で映画化された代表的な活動家。女性団体「韓国挺身隊問題対策協議会」(挺対協)が1990年11月に発足し、元慰安婦の証言集めのための被害申告を呼びかけたのに応じて、92年6月に名乗り出た。以来、挺対協の運動と常に連携してきた。4月下旬から運動についての批判を公然と始めたが、大きく報じられなかったため、5月7日に居住地の大邱市(韓国南東部)で記者会見を行うに至った。

 批判の対象となった挺対協は、ソウルの日本大使館前で毎週水曜日に日本政府の謝罪と賠償を求める集会(水曜集会)を開き続ける元慰安婦の支援団体だ。初代の広報委員長、李美卿(イ・ミギョン)氏は96年から国会議員を5期務めた後、前回17年の大統領選で文在寅(ムン・ジェイン)候補の共同選対本部長を務めた。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代には、代表だった池銀姫(チ・ウニ)氏が慰安婦支援策を所管する女性相を務めた…

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堀山明子

ソウル支局長

1967年生まれ。91年入社。静岡支局、夕刊編集部、政治部などを経て2004年4月からソウル支局特派員。北朝鮮核問題を巡る6カ国協議などを取材した。11年5月からロサンゼルス特派員。18年4月から現職。