「9月入学制」は拙速な導入は避け、慎重な議論を

古賀伸明・元連合会長
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古賀伸明氏=内藤絵美撮影
古賀伸明氏=内藤絵美撮影

 去る5月14日に39県で、21日に近畿3府県で、緊急事態宣言が解除され、継続していた北海道と首都圏の1都3県も25日に解除された。経済・社会活動が、段階的に再開されようとしている。この新型コロナウイルス感染拡大は、これからの社会を担う若者たちの教育にも大きな影響を与えている。

 2月27日の突然と言ってもいい安倍晋三首相の「全国一斉休校の要請」で、ほとんどの学校が臨時休校となりその機能が事実上ストップしたが、緊急事態宣言が解除となった自治体から、徐々に開校の動きが始まった。しかし、この数カ月のブランクにより、児童・生徒・学生の「学びの保障」が大きな課題となっている。

 そんな中で、休校時の課題解決のために、にわかに浮上したのが「9月入学制」だ。賛成派は、大幅に不足する授業時間の確保や休校長期化による学力格差、不公平の解消ができるうえ、諸外国の学事暦とも足並みがそろって、グローバル化に対応できると主張する。「こういう時でないと改革はできない。新しい時代はつくれない」と、かつての改革ありきの議論を思い起こす言葉も飛び出している。

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古賀伸明

元連合会長

1952年生まれ。松下電器産業(現パナソニック)労組中央執行委員長を経て、2002年電機連合中央執行委員長、05年連合事務局長。09年から15年まで第6代連合会長を務めた。現在は連合総研理事長。