麗しの島から

手首に「腕輪」、検査は唾液--香港で隔離中の記者が報告

福岡静哉・台北特派員
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台湾の桃園国際空港は、ほとんど人の姿が見当たらなかった(スマートフォンのパノラマ機能で撮影)=2020年6月12日、福岡静哉撮影
台湾の桃園国際空港は、ほとんど人の姿が見当たらなかった(スマートフォンのパノラマ機能で撮影)=2020年6月12日、福岡静哉撮影

 私は今月12日、取材と知人との再会のため、駐在する台湾から香港に渡り、ホテルで2週間の隔離を受けている最中だ。香港(人口約750万人)は16日現在、新型コロナウイルスの感染者を1113人、死者を4人に食い止めている。成功の一つの理由であろう、厳格な香港の隔離策を実体験として紹介したい。

 台湾政府は外国人の入境を原則として禁じ、市民には不必要な海外渡航をしないよう呼びかけているため、台湾北部の桃園国際空港は予想通り、人がほとんどいなかった。営業している店舗も数えるほど。機内では客室乗務員が感染防止用のゴーグルやマスク、防護服を身に着けて対応していた。当然、乗客は少ない。

 香港国際空港に到着し、専用バスで空港ターミナルに運ばれた。まず体温測定を受けた後、携帯電話に隔離対象者を管理するためのアプリを入れるよう指示された。続いて検疫担当の職員に「腕を出してください」と促された。職員は私の左手首に「腕輪」を装着した。灰色の四角い機器(縦5.5センチ、横4.5センチ、厚さ1.7センチ)が固定されたバンドだ。スマートフォンと機器を連動させて、全地球測位システム(GPS)で対象者の位置を探知するため、勝手に動いたら当局が把握できる仕組みだ。政府職員に手渡された資料には、自宅や宿泊先のホテルの部屋に入ってからアプリにある「私は家に着きました」という表示をクリックするよう書いてあった。部屋に入ってからGPSの機能が稼働するということらしい。

 ちなみに、香港は現在、中国本土、マカオ、台湾を除く「海外」から渡航する、香港居住権のない外国人の入境を全面的に禁止している。香港は中国の特別行政区であり、中国政府は台湾を「領土」とみなしている。このため香港政府にとって台湾は「海外」ではないということらしい。私は台湾に駐在しているので、日本人だが香港に入境することができた。ただ、昨年12月の前回訪問時は入…

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福岡静哉

台北特派員

1978年和歌山県生まれ。2001年入社。久留米支局、鹿児島支局、政治部などを経て2017年4月、台北に赴任した。香港、マカオのニュースもカバーする。