北朝鮮の対韓「過激化」は国内対策か

坂井隆・北朝鮮問題研究家
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北朝鮮が爆破した開城の南北共同連絡事務所=北朝鮮・開城で2020年6月16日、朝鮮中央通信・朝鮮通信
北朝鮮が爆破した開城の南北共同連絡事務所=北朝鮮・開城で2020年6月16日、朝鮮中央通信・朝鮮通信

 北朝鮮は、6月初めから韓国内の脱北者団体による北朝鮮への宣伝ビラ散布活動及びそれを容認する「南朝鮮当局」を激しく論難しつつ強硬な論調・措置を次々に打ち出した。16日には、開城工業地区内の南北共同連絡事務所庁舎を爆破した。その後も、南北合意により非武装化した地区への軍部隊の再配置を予告するなど、対韓対決姿勢を鮮明にしている。これら一連の動向の狙いを検討する。

 今回の北朝鮮の動向をめぐっては、韓国を揺さぶって何かを獲得しようとの「瀬戸際交渉戦術」とする見方が有力だ。

 しかし、北朝鮮の動向を見ると、当初、韓国側から融和的な反応が示されたにもかかわらず、それを欺まん的なものときめつけ、一方的に強硬策を進めている。そこに「交渉」の意向はうかがえない。

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坂井隆

北朝鮮問題研究家

1951年生まれ。78年公安調査庁入庁、北朝鮮関係の情報分析などに従事、本庁調査第二部長を最後に2012年退官。その後も朝鮮人民軍内部資料の分析など北朝鮮研究を継続。共編著書に「独裁国家・北朝鮮の実像」(2017年、朝日新聞出版)、「資料 北朝鮮研究Ⅰ 政治・思想」(1998年、慶応義塾大学出版会)など