性犯罪・性暴力の被害者が勇気を持ってあげた声を大切に

上川陽子・元法相
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上川陽子氏=西夏生撮影
上川陽子氏=西夏生撮影

 2017年7月に改正刑法が施行され、これまで被害者を女性に限っていた「強姦(ごうかん)罪」が性別を問わない「強制性交等罪」となるなど大幅な改正が行われた。声をあげることさえ難しい性犯罪・性暴力の被害者があきらめることなく声をあげてきた活動のたまものだったと思う。一方で当時からさらなる改正を求める意見があり、施行後3年をめどに政府に検討を求める付則が設けられている。

 私が会長を務める自民党の司法制度調査会も継続的にこの問題に取り組んできて、施行後3年となる今年7月を前に提言をまとめ、政府の強化方針に反映させた。私は、被害者の方々にお会いした時に「あるべき姿まで一気にいくことは難しいが、絶対に諦めず、一つ一つ段階を踏んで成し遂げていきましょう」とお話をさせていただき、私自身もそういう思いでやってきた。

 性暴力に抗議するフラワーデモが広がり、勇気を持って声をあげる被害者の方が前に出てきた。社会全体も大きく変わってきた。親から子への長期的な性的虐待があることや、障がいを持つ方が施設内で被害に遭うというケースがあることも広く知られるようになり、問題の根深さや深刻さが認識されてきたと感じている。

被害者の立場に立って

 性犯罪に限ったことではないが、社会的に弱い立場に置かれている人が被害に遭う実態がある。記憶が十分ではない、あるいは供述をうまくできない…

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上川陽子

元法相

1953年生まれ。2000年衆院初当選。少子化担当相、副総務相、衆院厚生労働委員長などを歴任。自民党司法制度調査会長。衆院静岡1区、当選6回。自民党岸田派。