潮流・深層

トランプ氏再選に黄信号 世論調査は当たるのか?

古本陽荘・北米総局長
  • 文字
  • 印刷
間隔を空けて座る記者らの前で会見するバイデン前米副大統領=米東部デラウェア州ウィルミントンで6月30日、AP
間隔を空けて座る記者らの前で会見するバイデン前米副大統領=米東部デラウェア州ウィルミントンで6月30日、AP

 11月の米大統領選に向けた各種の世論調査で、野党・民主党の大統領候補に内定しているジョー・バイデン前副大統領(77)が、現職の共和党のドナルド・トランプ大統領(74)をリードする傾向が強まっている。だが、トランプ氏は「サイレントマジョリティー(声を上げない多数派)」は自分を支持していると訴えている。前回の2016年大統領選では事前の世論調査は、民主党のヒラリー・クリントン元国務長官が勝利すると予想していたが、トランプ氏はそれを覆した。同じような展開になることはありえるのだろうか。

 6月30日に地元の東部デラウェア州で、記者から久しぶりに質問を受けたバイデン氏は、選挙戦の現状をどう見ているか問われ、「世論調査のデータはとてもよい。しかし、まだ判断するには早すぎる。まだまだ、たくさんやらなくてはならないことがある」と述べるにとどめた。

 ニューヨーク・タイムズ紙とシエナ大の調査(6月17~22日実施、有権者1337人が回答)では、「バイデン氏に投票する」と答えた人は50%で、トランプ氏の36%を大きく上回った。男性有権者の間では大きな差はないが、女性の間ではバイデン氏が55%、トランプ氏が33%と22ポイントの大差が付いた。18年中間選挙では大都市の郊外に住む高学歴の女性の「トランプ離れ」が起きたと言われたが、その傾向が続いている可能性が高い。また、黒人の79%、中南米系の64%が「バイデン氏に投票する」と回答しており、非白人の支持がバイデン氏に偏っていることも改めて浮き彫りになった。

 米国の大統領選は、実際には州単位で実施されるため、全体の傾向だけではなく、接戦となる州の結果が重要だ。各州に割り当てられた選挙人(計538人)の獲得数の多い方が勝者となるが、ほとんどの州が勝者総取り方式をとっているため、得票総数では負けても、選挙人獲得数で勝つことがある。実際に16年大統領選では…

この記事は有料記事です。

残り3349文字(全文4149文字)

古本陽荘

北米総局長

1969年生まれ。97年毎日新聞入社。横浜支局、政治部、外信部を経て2018年12月から北米総局長(ワシントン)