東京23区封鎖と全員PCR検査を

森永卓郎・経済アナリスト、独協大学教授
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森永卓郎氏=藤井太郎撮影
森永卓郎氏=藤井太郎撮影

 先月の本稿<日本のコロナ対策は大失敗だったのではないか>で、「自粛解除の影響が出てくれば、東京で大きな第2波が発生する可能性は否定できないだろう」と書いた。東京都では、7月2日から100人台の新規感染が6日間続き、7月8日に75人と一時的に減ったが、7月9日には、224人と過去最大の新規感染者を出してしまった。その後、200人台の感染者数は、7月12日までで4日間続いていた。誰の目にも第2波がやってきていると見えるのだが、政府も東京都も、それを認めていない。感染者数の増大は、ホストクラブなどの接待を伴う飲食店(「夜の街」)で積極的なPCR検査をした結果であり、重症患者が増えているわけではないというのが、その根拠だ。

 ただ、感染は、職場や家庭、会食など、接待を伴う飲食店以外のところに広がっている。7月11日の新規感染者206人のうち、接待を伴う飲食店関連は48人で、職場や家庭内、会食などでの感染が59人と、接待を伴う飲食店関連を上回った。感染経路不明者も、ほぼ半数に達している。しかも、PCR検査の陽性率が上昇して、7月10日には6%に達していることを考えると、東京の市中感染率が上がり始めていることは、ほぼ間違いないだろう。

 東京由来の感染者が南関東3県に広がり、それがさらに全国へと飛び火し始めている現状に危機感を覚えた小池百合子東京都知事は、コロナの新規感染者が3日連続で100人を超えた7月4日に「不要不急の他県への移動は避けてほしい」と都民に呼び掛けた。小池氏のこの判断は正しかったと思う。しかし、小池氏の発言に対して、西村康稔経済再生担当相は「高熱がある人、体調のすぐれない人は、他県への移動を控えてほしい」と話し、一般の人の県間移動は問題ないとの見解を示した。結局、小池氏と西村氏が話し合った結果、小池氏は7月8日の会見で、西村氏の判断に沿った形で、見解を修正した。結局、小…

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森永卓郎

経済アナリスト、独協大学教授

1957年生まれ。日本専売公社、経済企画庁、三和総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング)などを経て独協大経済学部教授。専門はマクロ経済、計量経済、労働経済。コメンテーターとしてテレビ番組に多数出演。著書に「年収300万円時代を生き抜く経済学」(光文社)など。