声なき声を捕捉せよ

民意と乖離した安倍政権の「Go To」迷走

平田崇浩・世論調査室長兼論説委員
  • 文字
  • 印刷
新型コロナウイルス感染症対策分科会を終え、記者団に囲まれる加藤勝信厚生労働相(中央)。分科会では旅行需要喚起策「Go Toトラベル」事業について、東京都内への旅行や、東京都在住者の旅行を対象から外す方針が了承された=東京都千代田区で2020年7月16日、北山夏帆撮影
新型コロナウイルス感染症対策分科会を終え、記者団に囲まれる加藤勝信厚生労働相(中央)。分科会では旅行需要喚起策「Go Toトラベル」事業について、東京都内への旅行や、東京都在住者の旅行を対象から外す方針が了承された=東京都千代田区で2020年7月16日、北山夏帆撮影

 安倍政権は再び民意を読み違えて迷走した。

 7月18日に全国世論調査を実施する直前、「Go Toトラベル」キャンペーンの対象から東京が除外された。私たちは用意していた質問を「政府は、国内旅行の代金の最大半額を支援する『Go To トラベル』キャンペーンを7月22日から始める予定です。あなたはこれに賛成ですか、反対ですか」から「政府は、国内旅行の代金の最大半額を支援する『Go To トラベル』キャンペーンについて、東京を除外して7月22日から始める方針です。あなたは、どう思いますか」に差し替え、選択肢を「妥当だ」「東京も対象とすべきだ」「東京以外も見送るべきだ」「わからない」の4択とした。

 「東京以外も見送るべきだ」との回答が最も多かったのは予想通りで、69%に上った。新型コロナウイルスの感染が広がって以来、世論は一貫して不安が先行し、経済・社会の活動を本格化させることには慎重な意見が多数を占めている。今回の調査で、感染防止と経済活動のどちらを優先すべきかを尋ねたところ、67%が「どちらかと言えば感染防止を優先すべきだ」と答え、「どちらかと言えば経済活動を優先すべきだ」の15%を大…

この記事は有料記事です。

残り2901文字(全文3398文字)

平田崇浩

世論調査室長兼論説委員

1967年生まれ。広島県三原市出身。89年入社。97年から政治部。さいたま支局長、世論調査室長、政治部編集委員、論説委員を経て2020年から2回目の世論調査室長。