公務員の定年延長は官優遇か

古賀伸明・元連合会長
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古賀伸明氏=内藤絵美撮影
古賀伸明氏=内藤絵美撮影

 検察トップの稲田伸夫検事総長が退任し、後任に林真琴・東京高検検事長が就任した。この人事を巡っては、政府が1月末に当時東京高検の検事長であった黒川弘務氏について異例の定年延長を閣議決定し、それを後付けするかのような検察庁法改正を進めようとして混乱した。反対運動に加え黒川氏の賭けマージャン事件で、政府・与党は検察庁法改正案を含む国家公務員法改正案の通常国会での成立を断念し廃案となった。

 しかも、与野党が法案の先送りで決着した5月18日の翌日19日、世耕弘成参院自民幹事長が記者会見で、「公務員だけ5年も定年延長されていいのか。経済的に苦しい国民の立場に立った議論が必要だ」と述べ、改正案の趣旨を方向転換する可能性を示唆した。翌々日には安倍晋三首相が「法案を作った時とは状況が違っているという意見が党にもある。しっかり検討していく」と強調。世耕氏の発言は首相発言の前さばきで、コロナ禍を…

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古賀伸明

元連合会長

1952年生まれ。松下電器産業(現パナソニック)労組中央執行委員長を経て、2002年電機連合中央執行委員長、05年連合事務局長。09年から15年まで第6代連合会長を務めた。現在は連合総研理事長。