安倍首相が「追い込まれ解散」しない奇策を考えてみた

高橋恵子・政治部記者
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経済財政諮問会議・未来投資会議合同会議で発言する安倍晋三首相。左は麻生太郎副総理兼財務相=首相官邸で2020年7月17日、竹内幹撮影
経済財政諮問会議・未来投資会議合同会議で発言する安倍晋三首相。左は麻生太郎副総理兼財務相=首相官邸で2020年7月17日、竹内幹撮影

 通常国会会期末前後に吹き荒れた衆院の解散風は少し収まってきたように見える。東京都内の新型コロナウイルス感染者数の増加に歯止めがかからないことが要因だろう。

 そもそも今夏や秋の解散が持ち上がったのは、春先からの感染拡大が一段落したかに見えたタイミングだ。早期解散論者の麻生太郎副総理兼財務相が安倍晋三首相と1対1の面会を頻繁に行ったことが、解散風をあおった。

 自民党には、「追い込まれ解散」の恐怖が染みついている。特に、下野を招いた2009年8月の衆院選は、自民党にとっての「悪夢」だったろう。08年9月に福田康夫元首相の辞任を受けて首相に就任した麻生氏は、当初「選挙の顔」としての役割が期待された。にもかかわらず、すぐに解散せず任期満了近くまで追い込まれた。これが今回麻生氏が早期解散を主張する理由とされる。

 ただ、解散時期を見誤ったことだけが大敗の原因ではなかったはずだ。第1次安倍政権、福田政権と1年程度で首相が代わったことや麻生氏自身の失言も不信の底流となった。リーマン・ショックへの対応として編成された補正予算、当初予算の景気浮揚効果がなかなか表れなかったこともある。そして「麻生下ろし」で混乱する党内を露呈した。

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高橋恵子

政治部記者

1980年生まれ。高松支局、奈良支局、中部報道センターを経て2011年から政治部。1年間政治プレミア編集部に在籍し、20年4月から平河クラブ(与党担当)サブキャップ。