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<自己過激化の裏にある劇場型主役思考>歪んだ正義(3)

大治朋子・編集委員(専門記者)
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自殺した男性が自治会役員らに書かされたと両親が訴えている書面。男性はこれを書き残して自殺した=大阪市内で2020年7月30日、伊藤遥撮影
自殺した男性が自治会役員らに書かされたと両親が訴えている書面。男性はこれを書き残して自殺した=大阪市内で2020年7月30日、伊藤遥撮影

 大阪市内の市営住宅に住んでいた知的・精神障害がある男性が先日、自宅でひっそりと命を絶った。両親によると、男性は自治会の役員選考から外してほしいと頼み、役員から「できること」「できないこと」を紙に書くよう求められたという。

 「しょうがいか(が)あります」。「×おかねのけいさんはできません」「×ひとがたくさんいるとこわくてにげたくなります」「〇となりにかいらんをまわすことはできます」

 この紙を関係者に回覧すると告げられた翌日、男性は死を選んだ。

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大治朋子

編集委員(専門記者)

 1989年入社。サンデー毎日、社会部、ワシントン特派員、エルサレム特派員などを経て現職。英オックスフォード大学ロイタージャーナリズム研究所客員研究員。2017年から2年間休職しイスラエル・ヘルツェリア(IDC)学際研究所大学院(テロ対策&国土安全保障論、サイバーセキュリティ専攻)修了、シンクタンク「国際テロリズム研究所」(ICT)研修生。テルアビブ大学大学院(危機・トラウマ学)修了。防衛庁(当時)による個人情報不正収集・使用に関する報道で02、03年度新聞協会賞受賞。ボーン・上田記念国際記者賞など受賞。単著に「勝てないアメリカー『対テロ戦争』の日常」(岩波新書)、「アメリカ・メディア・ウォーズジャーナリズムの現在地」(講談社現代新書)など。