
新型コロナウイルスの感染者・死者数が世界最多を記録する米国で6月、ある元家事労働者の女性が新型コロナに感染して亡くなった。フェデリーナ・ルガサン、83歳だった。フェデリーナは、雇用主の女性の家族に「メイド」という名目で祖国フィリピンから米国に連れてこられ、65年もの長きにわたり雇用主から身体的、精神的暴力を受け続けた人身取引の被害者だった。
2018年に米連邦捜査局(FBI)などによって救出されてから亡くなるまでに享受した「自由」はわずか2年しかなかった。第二の人生を謳歌(おうか)しようしていた矢先、コロナは無情にも彼女の命を奪ってしまった。
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