ハンコは「抵抗勢力」か 印章制度の本質と過度なデジタル化の危険

城内実・衆院議員
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城内実氏=岡本同世撮影
城内実氏=岡本同世撮影

 新型コロナウイルス感染症対策として、在宅勤務によるリモートワークが推進されている。この「抵抗勢力」としてやり玉に挙がっているのが、印章(ハンコ)だ。ハンコを押すためだけに出勤しなければならず、リモートワークの阻害要因になっているかのように受け止められている。しかし、これはいわれのないバッシングであり、捺印(なついん)の目的、コスト、文化的側面などを理解していない乱暴な議論だ。私は生産性を上げるためのデジタル化は推進すべきだという立場だが、何でもかんでもデジタル化を進めていこうとする考え方には賛同できない。何がデジタル化に適し、何がアナログのまま残した方がいいのか。メリット、デメリットを考えて進めていく必要がある。

 多くの方が誤解しているのではないかと思うが、捺印の本質は本人確認ではない。書いてあることが自分の意思ですとお墨付きを与える「意思の担保」だ。紙の文書で意思の担保を果たすアイテムとしてはハンコ、サイン、拇印(ぼいん)が代表的であり、日本はその中でハンコを利用するのが習慣となっている。逆に言えば、ハンコを押すのは「紙による文書の決裁、認証を得るため」であり、紙の文書がなければハンコを押す必要はない。…

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城内実

衆院議員

1965年生まれ。外交官を経て2003年衆院選で初当選。外務政務官、副外相、副環境相などを歴任。衆院静岡7区、当選5回。自民党。