
新型コロナウイルスが中国・武漢からもたらされる以前、今年初頭までは、安倍1強と呼ばれる政治体制が堅固だった。だが年明け以降、今夏にかけてコロナ禍によって安倍政権の衰弱が進み、来年9月に総裁任期を迎える安倍晋三首相の後継、いわゆるポスト安倍への胎動が始まっている。
安倍首相はこのところ、体調不良説がささやかれ、吐血説まで流れた。8月17日には東京・信濃町の慶応大学病院で検査を受けた。新型コロナウイルス対策に忙殺され、しかも同日内閣府が公表した2020年4~6月期の国内総生産(GDP、季節調整値)の速報値は、物価の変動を除いた実質で前期比7・8%減、年率換算では27.8%減という、戦後最悪の経済の落ち込みが浮き彫りになった。安倍政権が看板としてきたアベノミクスは吹き飛んでしまった。
首相のストレスは相当たまっているとみられる。政界では安倍早期退陣説まで流れだす始末だ。
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