政史探訪

「実力者内閣」で政権浮揚なるか

中川佳昭・編集編成局編集委員
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慶応大病院に入る安倍晋三首相(奥)=東京都新宿区で2020年8月24日、小川昌宏撮影
慶応大病院に入る安倍晋三首相(奥)=東京都新宿区で2020年8月24日、小川昌宏撮影

 新型コロナウイルスが中国・武漢からもたらされる以前、今年初頭までは、安倍1強と呼ばれる政治体制が堅固だった。だが年明け以降、今夏にかけてコロナ禍によって安倍政権の衰弱が進み、来年9月に総裁任期を迎える安倍晋三首相の後継、いわゆるポスト安倍への胎動が始まっている。

 安倍首相はこのところ、体調不良説がささやかれ、吐血説まで流れた。8月17日には東京・信濃町の慶応大学病院で検査を受けた。新型コロナウイルス対策に忙殺され、しかも同日内閣府が公表した2020年4~6月期の国内総生産(GDP、季節調整値)の速報値は、物価の変動を除いた実質で前期比7・8%減、年率換算では27.8%減という、戦後最悪の経済の落ち込みが浮き彫りになった。安倍政権が看板としてきたアベノミクスは吹き飛んでしまった。

 首相のストレスは相当たまっているとみられる。政界では安倍早期退陣説まで流れだす始末だ。

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中川佳昭

編集編成局編集委員

1962年生まれ。89年毎日新聞社入社。静岡、浜松支局、東京本社政治部。政治部では首相官邸、自民党(小渕、橋本派)、外務省などを長く担当。大阪本社社会部(大阪府庁キャップ)、政治部与党、官邸クラブキャップ、政治部副部長、同編集委員、社長室委員兼編集編成局編集委員などを経て2019年5月から編集編成局編集委員兼社長室委員。