医療崩壊防ぐため 病院支援は不可欠

富田茂之・元副財務相
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富田茂之氏=須藤孝撮影
富田茂之氏=須藤孝撮影

 「コロナと闘う病院を支援する超党派議員連盟」の共同代表を務め、提言をまとめた。医療機関は新型コロナウイルスによる影響で非常に厳しい状況にある。コロナへの対応と同時に、病院でコロナに感染することを恐れて患者が受診を控えるようにもなり、経営が悪化している。5月は小児科の受診患者数がほぼ半減したという。

 私自身も3月に細菌性肺炎で15日ほど入院した。コロナには感染していないのだが、それでも他の外来患者と接触しないように動線が完全に分離され、医者も看護師も防護服を着て対応していた。自分自身が経験したことで、コロナ禍のなかでいかに病院に負担がかかっているかを実感した。

 補正予算でも、重症・中等症患者を受け入れる病院の診療報酬を3倍に引き上げるなど医療機関を支援する対策をとっているが、まだまだ足りないのが実情だ。議連のヒアリングでは医療関係者から「竹やりで戦えと言われているようなものだ」という声もあがった。

受け入れ病院には100%「損失補塡」

 このため、議連の提言ではコロナ患者を受け入れている医療機関に100%、受け入れていない医療機関にも80%の損失補塡(ほてん)を打ち出した。議連のなかでも議論になったが、損失補塡といっても通常の企業とは意味が違う。医療が崩壊すれば国民の命が守れない。患者を受け入れるという公益目的を果たしていることによって経営が厳しくなっているならば、予備費を使ってしっかり支援すべきだという結論になった。コロナ患者を受け入れていない医療機関も救急対応などで、受け入れている医療機関を背後から支える役目を果たしている。

 現場の病院は本当に苦労し、努力している。議連で千葉県の総合病院を視察した。4月に独立の30床のコロナ病棟を作った。一般病棟と入り口も完全に別にしているために外来患者が安心して受診できる。そのことで「受診控え」を食い止め、経営的にも踏みとどまっているということだった。そうした独立の病棟が大きな市に一つあれば、他の病院からもコロナ患者を受け入れられる。提言を菅義偉官房長官に渡した際にもこの例を伝えたが、現場から出てくるこうした知恵を全国に広げていくことを我々がぜひやっていきたい。

医療従事者を守る防護具を確保

 また医師や看護師など医療従事者用の防護具も不足したり価格が高騰したりしている。これも視察先の病院で教えていただいたが、サージカルマスクは3円から17円に、N95マスクはほとんど入ってこないが120円から160円に、ビニールガウンが35円から99円に、消毒液が1リットル1000円から1500円に、それぞれ購入価格があがったという。

 いずれも相当の量を使うものなので、このように具体的に聞くといかに大変かが分かる。コロナとの闘いはこれからも続くのだから、適正な価格で日本国内できちんと供給できる体制を作っておかなければならない。

 提言に…

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富田茂之

元副財務相

 1953年生まれ。93年衆院初当選。副法務相、副財務相などを歴任。衆院経済産業委員長。衆院比例南関東、当選8回。公明党。