Go Toトラベルと新しい観光スタイル創出

福田富一・栃木県知事
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世界遺産「日光の社寺」の玄関でもある神橋だが、閑散としていた=日光市で2020年4月9日、渡辺佳奈子撮影
世界遺産「日光の社寺」の玄関でもある神橋だが、閑散としていた=日光市で2020年4月9日、渡辺佳奈子撮影

 4月の緊急事態宣言発令による県境をまたいだ移動自粛要請は、栃木県の観光産業にも甚大な影響を与えた。世界遺産「日光の社寺」(二社一寺)は拝観停止となり、本来なら多くのお客様でにぎわう観光地は5月の大型連休期間中も人影はなく、対前年比90%以上のマイナスとなった。多くの旅館・ホテルや土産物店等が休業し、観光需要の回復が緊急事態宣言解除後の急務となった。その第一歩として、県民による県内宿泊旅行を喚起する「県民一家族一旅行」運動を6月半ばから展開している。とちぎの観光を守るために、まず県民のサポートをお願いする取り組みだが、宿泊割引と県内有料道路無料化は大きな反響を呼び、宿泊客は一定程度戻りつつある。また、その大前提として、宿泊施設等における感染防止対策の徹底と事業者自らの「取組宣言」による対策の見える化を推進し、観光客の安全・安心の確保を図ってきた。

 国の新型コロナウイルス対策の第1次補正予算に盛り込まれた「Go Toトラベル」事業は、かつてない規模の旅行商品割引による観光需要喚起対策であり、観光需要回復に向けた切り札と言える。本県では、「県民一家族一旅行」で喚起した観光需要を、首都圏、そして全国へと広げる最大のチャンスと捉え、多様な観光プロモーションを切れ目なく行うべく準備を進めてきたところであった。しかしGo Toキャンペーン予算の執行にあたり、委託事業の事務費用が国会で問題視され、発注…

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福田富一

栃木県知事

1953年生まれ。宇都宮市議、栃木県議、宇都宮市長などを経て2004年栃木県知事選で初当選。現在4期目。