浅尾慶一郎「将来を語る」

政治への信頼回復のために、政党交付金は返還を

浅尾慶一郎・元衆院議員
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浅尾慶一郎氏=太田康男撮影
浅尾慶一郎氏=太田康男撮影

新党に期待感を集める秘策

 安倍晋三首相退陣の一報で、もともとあまり注目されていなかった立憲民主党と国民民主党それぞれが解党して新党を作る動きへの注目がさらに薄れました。誤解が無いように申し上げておきますが、私はかねて「外交・安全保障政策が近接した2大政党制の実現を目指し、2党が互いに切磋琢磨(せっさたくま)する未来」を夢見てきましたので、その一歩となる新党の誕生は歓迎したいですし、応援したいと思っています。だから、新党への注目が薄れた現状は大変残念です。

 私には、新党が国民の期待を集めるための秘策があります。立憲民主党、並びに、国民民主党にある政党交付金を国庫に返還し、将来にわたって入金される予定の得票分に関わる政党交付金を受け取らない形で新党を作ることです。

 そうすれば、おそらく100億円を超える額の税金が原資の政党交付金を国庫に返すことができます。百の批判より、一つの行動で勝ち得る信頼は計り知れません。税金を無駄遣いする政治家は論外ですが、税金の無駄遣いを指摘するばかりで、税金の目的外使用を黙認する政治では、国民から信用されません。

巨額の政治資金

 国民民主党には、50億円くらいの未使用の政党交付金があるそうです。また、立憲民主党と国民民主党には昨年合計で51億円の得票割分の政党交付金が支給されています。政党交付金とは、国民1人あたり250円を政党に付与する制度ですが、その支給方法は議員数割と直前の衆議院選挙、直前2回の参議院選挙の得票数割で各政党に配分されます。

 1億2000万人の人口で計算すると総額300億円になりますが、150億円はその政党に所属する議員数で、150億は選挙で投じられた票数の比率で配分されます。投票率が5割だと仮定し、有権者数が1億人だとすると衆議院選挙の1票は75円、参議院選挙の1票は37円50銭という計算になります。計算式は衆議院選挙の選挙区、比例代表の場合それぞれ150億円の4分の1の37億5000万円を5000万票で割ると1票75円になります。参議院は1回の選挙で定数の半数が改選されますので、150億円の8分の1の18億7500万円を5000万票で割ると1票37円50銭になるという計算です。

 そして衆院選挙で言えば次の解散までその金額が支給され、参院の場合は6年間その金額が支給されます。得票割分の政党交付金は、候補者の当落に関わらず支給されます。中小の政党が定数1の参議院選挙区に候補者を擁立しても当選させることは難しいでしょう。しかし、当選させることができなくても、有権者の意思を政党交付金の支給という形態である程度反映しようとしてこの制度が取られています。逆に当選させることがかなり難しい参院の選挙区でも10万票くらい獲得ができそうな選挙区であれば、その候補者に1000万円の公認料を支給しても、6年間で2250万円戻って…

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浅尾慶一郎

元衆院議員

1964年生まれ。87年日本興業銀行入行、98年参院議員初当選(神奈川選挙区)、2009年衆院初当選(比例南関東)。17年衆院選で落選。みんなの党政調会長、幹事長、代表を歴任した。外交安保の政策通として知られる。