ふらっと東アジア

米中対立、中国の若者はどう見ているか

米村耕一・中国総局長
  • 文字
  • 印刷
多くの客が訪れていた北京市内のアップルストア=8月30日、米村耕一撮影
多くの客が訪れていた北京市内のアップルストア=8月30日、米村耕一撮影

 米中対立は日を追うごとに激しさを増している。一般の中国人、特に若い世代は、この現状をどう見ているのか。それが7月末から北京での生活を始めながら、ずっと持ち続けている関心事だ。

 中国外交官は強気の発言を続ける。中国外務省の趙立堅副報道局長は8月27日の記者会見で、米政府による、ネット交流サービス(SNS)「ウィーチャット」などの中国アプリの禁止・制限政策について「多くの中国人はウィーチャットが禁止されれば、米アップル社のアイフォーンはもう使わないと言っている」と啖呵(たんか)を切った。

 しかし、8月末の週末に北京市内で最大のアップルストア、三里屯店を見に行くと、店舗の前には行列ができ、アイフォーン用アプリに関する講習会も盛況だった。「アイフォーンを使わない」という雰囲気では全くない。

 実際のところはどうなのか。統計的な意味があるわけではないが、雰囲気を把握しようと6人の20代男女に、米中対立に対する見方や、米国ブランドをやめて中国ブランドを購入しようと思うかなどを聞いてみた。

米国に反発するが、米文化には愛着

 最近の米国による中国圧迫策に、反発は感じているようだ。北京の大学院生の女性、行さん(24)は「根本的な原因は中国が強くなり、米国が脅威を感じているからだ」と語る。西安の会社員の女性、郭さん(28)は「中国の科学技術が急速に発展し、米国がそれを抑え込む必要を感じはじめた。米国は世界一の強国だが、だからこそ我が国の科学技術力の急成長を恐れているのだ」との見方を披露した。

 ただ、米国ブランドの不買運動をするほど反発が強いかと聞くと、反応は微妙になる。蘇州に住む大学院生の女性、何さん(23)は「今回の対立で中国と米国の考え方の差の大きさを実感した。中国人として国の側に立ちたい。中国製品をサポートしていきたい。アイフォーン12を買いたいと考えていたが、次のスマホはファーウェイ…

この記事は有料記事です。

残り1463文字(全文2261文字)

米村耕一

中国総局長

1998年入社。政治部、中国総局(北京)、ソウル支局長、外信部副部長などを経て、2020年6月から中国総局長。著書に「北朝鮮・絶対秘密文書 体制を脅かす『悪党』たち」。