岩手「感染者ゼロ」の教訓(上)対策阻むプレッシャー 感染者に共感を

達増拓也・岩手県知事
  • 文字
  • 印刷
達増拓也氏=野原大輔撮影
達増拓也氏=野原大輔撮影

 岩手県で初の新型コロナウイルスの感染者が確認されたのは7月29日だった。それまで感染者ゼロが続き、現在も都道府県別では少ない感染者数を保つことができている。感染者数が少ないのは歓迎すべきことだが、それがかえってプレッシャーとなっていたことは否めない。特に最初の感染者は注目されてしまい、非難されるかもしれない。県が「最初に感染した人をとがめず、むしろ優しくする」というメッセージを繰り返しても、県民の間に緊張感が高まってくるのを感じた。ただ、「第1号」になるのが怖くて、PCR検査を受けにくい、診察を受けづらいというのでは本末転倒だ。重要なのは「感染者への共感」であり、SNSなどで誹謗(ひぼう)中傷されにくい状況を作り出すことだ。

 岩手県で感染者ゼロが続いた理由はいくつかあると思う。人…

この記事は有料記事です。

残り1305文字(全文1650文字)

達増拓也

岩手県知事

 1964年生まれ。外務省職員、衆院議員(当選4回)を経て、2007年岩手県知事選で初当選。現在4期目。