安倍政権の「負の遺産」まで継承してはならない

古賀伸明・前連合会長
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古賀伸明氏=中村琢磨撮影
古賀伸明氏=中村琢磨撮影

 あれよあれよという間に自民党総裁選で圧勝し、菅義偉内閣が誕生した。安倍晋三首相の辞任会見後わずか2日後には、二階派支持表明であっという間に他派閥の支持も菅氏に流れて大勢が決した。二階派を外した三つの派閥の領袖が、そろい踏みして支持を表明する前代未聞の記者会見も開催された。

 世論調査では高い支持率でスタートした菅首相は自他ともに認める安倍政治の後継者であり、スタンスは「安倍政権の継承」である。しかし、安倍長期政権の負の部分も継承されてはたまらない。

 特に政権運営には負の部分が多い。強権的な政策遂行とともに、「1強政治」のもとで公文書管理の問題など行政の公正性・透明性・説明責任にかかわる問題が生じたことへの国民の疑念はいまだ払拭(ふっしょく)されていない。反対意見には対抗の姿勢しか示さず、社会を分断した罪も大きい。

 官邸主導が官邸官僚主導となり、政策立案も一握りのグループとなった。加えて、官邸が幹部人事を握り、官僚全体が待ちの姿勢で能力が引き出されないどころか、忖度(そんたく)に明け暮れてしまう結果となった。

 安倍…

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古賀伸明

前連合会長

1952年生まれ。松下電器産業(現パナソニック)労組中央執行委員長を経て、2002年電機連合中央執行委員長、05年連合事務局長。09年から15年まで第6代連合会長を務めた。現在は連合総研理事長。