こども宅食「見えない貧困」に届ける

木村弥生・衆院議員
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木村弥生氏=手塚耕一郎撮影
木村弥生氏=手塚耕一郎撮影

 8月に設立された「こども宅食推進議連」の幹事長を務めている。こども宅食とは自宅に定期的に食品を届けることで関係を築きながら見守っていく取り組みだ。

 ポイントは、サンタクロースのように食べ物を届けてそれで終わりではないということだ。食品を届けることはあくまで一つの「ツール」、きっかけだ。

信頼関係を築き、家庭とつながる

 地域の子どもに食事を提供する子ども食堂は一定の役割を果たしているが、支援を受けていることを周囲に知られることに抵抗があるために行くことをためらう層もいる。宅食ならば、直接自宅に届くので周囲に知られることがないため、より多くの家庭とつながることができる。

 さらに定期的に食品を届けることで信頼関係を築くことができる。日本の貧困は「貧困」といっても周囲から見えにくく、気づかれにくい。行政に助けを求められない、あるいは助けを求めたけれども十分に対応してもらえず、行政に頼ろうとしなくなった家庭も多い。宅食はそうした家庭とつながるきっかけになる。

 また、継続的に直接、家庭を訪れることで、変化に気がつくことができる。たとえば児童虐待でも、暴行のあざが残っているというようなわかりやすい事例ばかりではない。ゴミが散らかっている、お風呂に入れてもらっていないなどの予兆に気がつけば、行政と連携して専門的な支援につなげていくことができる。

 訪問を担当するボランティアらが正確な状況把握ができるよう、研修を実施することも検討したい。個別の事情にあわせたよりきめ細かな支援をすることが最終的な目的だ。

ドアを開けてもらえる

 東京都文京区では2017年から、区や認定NPO法人フローレンスなどの7団体がコンソーシアム(共同事業体)を組んで「子ども宅食プロジェクト」を進めている。家庭に届ける現場を視察したが、当然ながら「貧困街」があるわけではなく、マンションに住む普通の家庭だ。見落とされるとい…

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木村弥生

衆院議員

 1965年生まれ。看護師などを経て、2014年衆院初当選。総務政務官などを歴任。比例近畿、当選2回。自民党。