香港民主化運動は日本の問題

亀井亜紀子・衆院議員
  • 文字
  • 印刷
亀井亜紀子氏=内藤絵美撮影
亀井亜紀子氏=内藤絵美撮影

 自由と民主主義、法の支配は日本も共有する国際社会の普遍的な価値だ。それを侵害する行為に対しては国際社会と連携して声をあげていかなければならない。

 香港国家安全維持法(国安法)の最大の問題点は言論の自由を侵害したことだ。「基準」がないことが問題だ。民主活動家の周庭氏が逮捕された時に香港の知人から連絡があったが、「国安法制定以前の行為にさかのぼって問題にされている」と言っていた。香港の市民は、いつ何時、何を理由に逮捕されるのか、わからない環境に置かれている。まさに法の支配が守られていない。

 中国政府は民主化運動が外国の支援者と連携して広がることを恐れている。日本に住む香港人であっても、日本国籍であっても取り締まりの対象になるかもしれない。国安法はまず我々の連携を断ち切ることを目的としている。それだけに、自由と民主主義の国に住む私たちが萎縮してはいけない。

人権制裁法を議員立法で

 超党派の「対中政策に関する国会議員連盟(JPAC)」では、重大な人権侵害があった時に、国会が政府に当該国への制裁措置などで対処するよう求める法案の提出を議員立法で目指している。

 昨年12月に立憲民主党国際局長として香港を視察した際、民主活動家から言われたのは「日本でも米国の香港人権・民主主義法(香港人権法)のようなものを立法できないか」ということだった。ただ日本が特定の国を名指しした法律を作るのはまだハードルが高い。第一歩として、普遍的な人権制裁法の整備を目指したい。

 また、日本は中国と捜査共助の条約を結んでいるが、国安法が対象とならないよう、中国の名指しは避けたうえで「政治犯については捜査共助を拒否する事由になりうる」というメッセージを出すことはできるだろう。

日本は人権でもう一歩踏み出すべきだ

 日本は人権の分野でもう一歩踏み出すべきだ。日本は人権外交の分野では国際社会で存在感がない。日本政府は日中関係などに配慮する立場から、香港を含めた人権問題について慎重な態度をとっているのだろう。

 しかし、国安法制定にいたるまでの民主化運動に対する中国の対応は「針を振り切ってしまった」ところがある。各国が厳しい対応を取っているなかで、日本だけが後ろに一歩下がっているような状況では、国際社会はどうみるか。言うべきことを言わなければ、日本はこの問題に後ろ向きだと思われるだろう。

 日本が世界から尊敬されるような立ち位置を目指すためにも、人権問題への取り組みは重要だ。日本はもう少し国際社会の問題に関心を持つ、開かれた国になる必要がある。

 一方で、中国には、香港が安定することが中国経済にとっても良いことであるというメッセージを送っていきたい。香港視察の際に政府側の人間にも会ったが、彼らは香港市場でも中国企業が強くなり、香港は本土なしには成り立たないと話していた。しかし、そのことを言い換えれば、米ドルの調達などもふくめ、上海市場では香港市場の代わりにならないということを意味している。

民主主義の大切さ

 周氏とは昨年6月に来日した時と、昨年12月の香港視察の際と2度会った。…

この記事は有料記事です。

残り640文字(全文1921文字)

亀井亜紀子

衆院議員

 1965年生まれ。2007年参院初当選。17年衆院初当選。立憲民主党国際局長。参院当選1回、衆院当選1回、比例中国。立憲民主党。