法人税と所得税の不公平是正で消費減税はできる

江田憲司・立憲民主党代表代行
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江田憲司氏=須藤孝撮影
江田憲司氏=須藤孝撮影

 本来は、首相には国をどう持っていくかという将来のビジョンがあり、それを実現するための政策体系を持ち、そのうえで重点的にやろうとするものがあるはずだ。しかし、菅義偉首相にはそれが全くみえない。

 菅氏が打ち出した携帯電話料金の値下げや不妊治療の保険適用拡大はたしかに目の付けどころはいい。若者と女性の心をつかんだ。地元が同じ横浜で昔から知っているが、菅氏は横浜市議時代から都市型選挙を戦ってきた人なので民意を読むのは得意だ。

 ただ、アベノミクスは結局、強い者をさらに強くし、金持ちをさらに大金持ちにしただけだ。期待されたトリクルダウン(低所得者への波及効果)は起きず、逆に格差や貧困が広がった。政府は雇用が増えたと言うが、非正規雇用がその大宗を占め、実質賃金が下がり、可処分所得が減った結果、消費が減退した。そこに昨年秋、消費税率の10%への引き上げがあり、経済が基礎体力を失っているところに新型コロナウイルス禍が襲った。経済は二重苦、三重苦の状態だ。今は包括的、抜本的な経済政策が必要不可欠だ。「携帯電話料金を下げましょう」では、全く不足している。

減税と「ベーシックサービス」の充実

 したがって、我々はまず、可処分所得を増やす、わかりやすく言うと国民の懐を温かくする政策を提案する。時限的な消費税や所得税の減免、低所得層への給付金等の選択肢、あるいはその組み合わせで消費を喚起する。また、生活に必要な最低限のお金を無条件で給付するベーシックインカムの考え方が注目を集めているが、さまざまな課題があり、実現している国はない。

 我々が掲げるのは「ベーシックサービス」の充実だ。医療、介護、子育て、年金など人間が生きていくうえで不可欠な公的サービスに財源を重点的に配分し、「将来不安」を解消していく。

法人税、所得税の不公平をなくす

 財源が問題になるが、自民党政権のように逆進性がある消費税に頼るのではなく、法人税、所得税の不公平を是正することで財源を生み出す。

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江田憲司

立憲民主党代表代行

1956年生まれ。通商産業省、橋本龍太郎首相秘書官などを経て2002年衆院初当選。みんなの党幹事長、結いの党代表、維新の党代表、民進党代表代行などを歴任。立憲民主党経済政策調査会長。衆院神奈川8区、当選6回。