なり手不足の町村議選に、なぜ供託金?

塩川鉄也・衆院議員
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塩川鉄也氏=伊藤奈々恵撮影
塩川鉄也氏=伊藤奈々恵撮影

 公職選挙法の改正で、12月から町村議選に供託金(15万円)が導入されることになりました。供託金の導入は、立候補の新たなハードルになります。国会審議で反対しました。

 これまで町村議選には供託金がありませんでした。立候補者が乱立する恐れが少ないからと、政府が説明してきたのです。今回の改正は、選挙費用を公費負担する「選挙公営」の範囲を広げ、それに伴って供託金を導入するというものです。議員のなり手不足対策として、立候補環境を改善することを目的としています。しかし、なり手不足対策と言いながら、立候補に新たなハードルを設けるのですから、筋が通りません。

 新たに、町村議選で選挙運動用の自動車、ポスター、ビラ(1600枚)が選挙公営の対象になりました。しかし、これを実施するには、自治体が条例を制定する必要があります。供託金は全国一律で導入されますが、選挙の公営がされない町村も出てくる可能性があります。大きな問題だと思います。実際、すでに公選法で公営の対象になっている市区議選の選挙運動用ビラは、2割の自治体が条例を制定していません。

 供託金制度は1925年の男子普通選挙の実施に伴い導入されました。それまでは、資産家でなければ選挙権も被選挙権もありませんでした。普通選挙運動が広がり、男子だけですが普通選挙が実現した際に、資産要件を撤廃しながら供託金を持ち込んで、立候補を制限するハードルとして設けられたのが始まりです。無産政党の排除や、労働者が立候補する機会を制限しようという意図がありました。成り立ちそのものが時代遅れの制度です。

 供託金は現在、衆議院、参議院の比例は600万円、衆議院の小選挙区、参議院選挙区、都道府県知事は300万円、政令都市の市長は240万円、一般市の市長は100万円、都道府県議60万円、政令都市の市議50万円、一般市の市議30万円、町村長は50万円です。

 国際的にもこんなに供託金が高い国はありません。…

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塩川鉄也

衆院議員

 1961年生まれ。埼玉県日高市役所勤務を経て、2000年衆院初当選。共産党国会対策委員長代理。比例北関東、当選7回。