韓国では多くの事象が、政治的対立の中に収れんされていく。2014年に起きたセウォル号沈没事故は、その典型だ。修学旅行中の高校生ら300人以上が犠牲となった痛ましい事故はその後、保守派である当時の朴槿恵政権を進歩派が追及する主要なイシューになった。事故をどう評価するかは今や、その人の政治的スタンスを示すバロメーターの一つとも言える。
多くの若者の命が奪われた衝撃は、韓国社会に強い処罰感情を生んだ。安全を無視した無理な船体改造や運航を行った船会社、結果的にそれを見逃した監督当局に韓国の人々は怒った。
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連載:オアシスのとんぼ
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