オアシスのとんぼ

政治対立の陰に隠れるセウォル号遺族の苦しみ

澤田克己・論説委員
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映画「君の誕生日」のメインビジュアル(c)2019 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & NOWFILM & REDPETER FILM & PINEHOUSEFILM. All Rights Reserved.
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 韓国では多くの事象が、政治的対立の中に収れんされていく。2014年に起きたセウォル号沈没事故は、その典型だ。修学旅行中の高校生ら300人以上が犠牲となった痛ましい事故はその後、保守派である当時の朴槿恵政権を進歩派が追及する主要なイシューになった。事故をどう評価するかは今や、その人の政治的スタンスを示すバロメーターの一つとも言える。

 多くの若者の命が奪われた衝撃は、韓国社会に強い処罰感情を生んだ。安全を無視した無理な船体改造や運航を行った船会社、結果的にそれを見逃した監督当局に韓国の人々は怒った。

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澤田克己

論説委員

1967年生まれ。埼玉県狭山市出身。91年入社。ソウル支局やジュネーブ支局で勤務した後、論説委員を経て2018年から外信部長。2020年4月から再び論説委員。著書に『「脱日」する韓国』、『韓国「反日」の真相』、『反日韓国という幻想』、『新版 北朝鮮入門』(共著)など。