脱炭素化~2050年の社会像

気候変動対策 甘い目標で先送りは通用しない

岡田克也・元副総理
  • 文字
  • 印刷
岡田克也氏=手塚耕一郎撮影
岡田克也氏=手塚耕一郎撮影

 菅義偉首相が2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロ(カーボンニュートラル)とする目標を表明した。決断したことは評価するが、あまりにも遅すぎた。安倍政権のもとで先送りしてきたが、すでに110カ国以上が同様の目標を掲げている。欧州はもちろん、米大統領選でもバイデン氏は公約に掲げていた。その意味ではギリギリのタイミングだった。中国は別だが、あやうく日本だけが取り残されるところだった。

まず30年度の目標数値を

 50年のカーボンニュートラルを目指すならば、まず30年度の目標を具体的な数値で示すべきだ。従来の政府目標は「30年度に13年度比26%減、50年までに80%減」だった。この目標は30年度までは緩やかに削減し、その後の50年までに急激に削減するという不自然な想定になっている。

 30年度の目標を変えないまま、50年にゼロとするなら、30年度以降はより急激に削減することになり、もっと不自然になる。50年まで基本的に同じ割合で削減する前提で、30年度にどこまで削減するかを明確にすべきだ。それを電源構成に置き換えて考えなければならない。30年度までは甘い目標で「先のことは知らない、イノベーションで解決する」と言ってすます、従来のやり方はもう通用しない。

 技術開発は重要だが、依存しすぎてはいけない。失敗した時に、何もしなかったという結果になりかねない。技術開発がうまくいかなくともカーボンニュートラルに到達できる道筋を描くべきだ。

再生エネ30年度に「40~45%」

 電源構成については、まず再生可能エネルギーの比率が問題になる。…

この記事は有料記事です。

残り1626文字(全文2296文字)

岡田克也

元副総理

 1953年生まれ。76年通産省入省。90年衆院初当選。民主党代表、外相、副総理、民進党代表を歴任。衆院三重3区、当選10回。「政権交代可能な政治の実現」が信念。外相時代は核密約の解明に取り組んだ。野田政権を副総理として支えた。立憲民主党。