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対北朝鮮制裁決議違反情報に報奨金5億円出す米国の執念

米村耕一・中国総局長
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数は少なくなったものの中国各地で営業を続ける北朝鮮レストラン=中国東北部瀋陽市内で2020年11月、米村耕一撮影
数は少なくなったものの中国各地で営業を続ける北朝鮮レストラン=中国東北部瀋陽市内で2020年11月、米村耕一撮影

 おどろおどろしい音楽と共に、平壌市内にニョキニョキとミサイルが立つアニメーションが流れる。大きく映し出されるのは「報奨金500万ドル(約5億円)」の文字だ。

 米国務省が11月30日に立ち上げた”dprkrewards.com”というサイトは、日本語を含む20カ国語で、米国や国連が実施する対北朝鮮制裁に違反する不法な活動についての情報提供を呼びかけている。500万ドルは、有用な情報に対する報奨金の上限だ。

 「中国政府は外交交渉という表玄関からは実現できない対北朝鮮制裁緩和を、制裁決議を厳格に履行しないという形で裏口から実現しようとしている」

 米国務省のアレックス・ウォン北朝鮮担当特別副代表はサイトが開設された当日、米シンクタンク主催のオンライン会合で講演し、次々に中国の「手ぬるい」対応をやり玉に挙げた。ウォン氏によると中国国内で少なくとも2万人の北朝鮮からの労働者が働いているだけでなく、北朝鮮の船や中国の船が計555回にわたって、石炭やその他の制裁決議違反となる物資を積んで中朝間を行き来しているという。サイト開設の狙いの一つが、中国に対する圧力であるのは、ウォン氏の講演内容からも明らかだった。

 サイトによる…

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米村耕一

中国総局長

1998年入社。政治部、中国総局(北京)、ソウル支局長、外信部副部長などを経て、2020年6月から中国総局長。著書に「北朝鮮・絶対秘密文書 体制を脅かす『悪党』たち」。