日韓関係、恒例の「年の瀬サプライズ」はあるか

秋山信一・外信部記者
釜山の日本総領事館前に設置された少女像の除幕式。周辺は市民団体やメディア、警察でもみ合いとなった。プラカードのハングルは「日本をかばう親日警察を糾弾する」と書かれている=釜山市で2016年12月31日、大貫智子撮影
釜山の日本総領事館前に設置された少女像の除幕式。周辺は市民団体やメディア、警察でもみ合いとなった。プラカードのハングルは「日本をかばう親日警察を糾弾する」と書かれている=釜山市で2016年12月31日、大貫智子撮影

 近年の日韓関係は、年末になると大きく動く傾向がある。代表的なのは2015年12月28日に両国外相が電撃的に発表した慰安婦合意だろう。20年は両国とも新型コロナウイルス感染症への対応に追われ、低位安定の状態が続いてきた。年の瀬に「サプライズ」は起こるだろうか。

「優等生」の日本が首相訪韓を渋る理由は

 15年の慰安婦合意、16年の日本総領事館前への少女像設置、17年の韓国による慰安婦合意の検証結果発表、18年の韓国軍艦による自衛隊機へのレーダー照射、19年の日韓首脳会談――。この5年ほど、日韓関係は12月になると毎年のようにビッグニュースが飛び込んできた。

 目下の焦点は、韓国で開かれる予定の次回の日中韓首脳会談だ。開催国は3カ国持ち回りで、平時であれば菅義偉首相が訪韓し、韓国の文在寅大統領とも個別に会談するところだ。しかし、今回は新型コロナウイルス感染拡大の影響で対面での開催が難しいのに加えて、日本政府が首相訪韓に難色を示し、韓国が望んでいた年内開催は危ぶまれている。

 日本政府が訪韓を渋っているのはなぜか。背景にあるのが、日韓関係の最大のネックである徴用工問題だ。日本政府は外交当局間の協議などを通じて「現時点で首相が訪韓する環境にはない」と韓国政府に伝え、徴用工問題で韓国側が具体的な対応をとることが先決だと求めている。

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外信部記者

 2004年入社、岐阜支局、中部報道センター(名古屋)、外信部、カイロ支局、政治部を経て、20年10月から外信部。著書に「菅義偉とメディア」(毎日新聞出版)。