なぜ日本は領海法を改正しないのか 尖閣めぐる中国の「本音」

小川和久・静岡県立大学特任教授 特定非営利活動法人・国際変動研究所理事長 軍事アナリスト
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小川和久氏=北山夏帆撮影
小川和久氏=北山夏帆撮影

 尖閣諸島をめぐる中国側の動きと、それと向き合う日本政府の腰が引けた姿勢にいら立ちを募らせている向きも少なくないだろう。

 昨年11月にも、それを象徴するような出来事が発生していた。沖縄県石垣市の尖閣諸島付近の上空で、海上保安庁の航空機が中国海軍の艦船から「中国の領空を侵犯している」と警告され、退去を求められていたというのだ。

 同様の中国海軍による尖閣周辺の領空に関する主張は昨年11月中旬と下旬に計4回確認されたが、加藤勝信官房長官は「現場における個々のやり取りについては、これまでもお答えを差し控えさせていただいている。中国側が尖閣諸島に関する独自の主張を行う場合には、わが方として適切かつ厳重に抗議している」と述べるにとどまった。

 実を言えば、加藤官房長官が「事実関係を明らかにしない」とした背景には、尖閣諸島周辺の日本の領海について日本政府が断固たる姿勢をとることなくきた問題が横たわっている。…

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小川和久

静岡県立大学特任教授 特定非営利活動法人・国際変動研究所理事長 軍事アナリスト

 1945年生まれ。陸上自衛隊生徒教育隊・航空学校修了。同志社大学神学部中退。地方新聞記者、週刊誌記者などを経て、日本初の軍事アナリストとして独立。外交・安全保障・危機管理(防災、テロ対策、重要インフラ防護など)の分野で政府の政策立案に関わり、国家安全保障に関する官邸機能強化会議議員、日本紛争予防センター理事、総務省消防庁消防審議会委員、内閣官房危機管理研究会主査などを歴任。小渕内閣ではドクター・ヘリ実現に中心的役割を果たした。電力、電話、金融など重要インフラ産業のセキュリティ(コンピュータ・ネットワーク)でもコンサルタントとして活動。2012年4月から、静岡県立大学特任教授として静岡県の危機管理体制の改善に取り組んでいる。『フテンマ戦記基地返還が迷走した本当の理由』『日米同盟のリアリズム』など著書多数。