記者コラム 「激変」自衛隊本シリーズ フォロー

3 二見龍著「自衛隊最強の部隊へ」シリーズ

滝野隆浩・社会部専門編集委員
二見龍氏の著書「自衛隊 最強の部隊へ」シリーズ
二見龍氏の著書「自衛隊 最強の部隊へ」シリーズ

 平成期における自衛隊の「激変」ぶりを記録した自衛隊実録本を紹介する本連載第3弾は、二見龍さんの「自衛隊最強の部隊へ」シリーズを取り上げたい。これは陸上自衛隊第40連隊(小倉駐屯地=北九州市)に二見さんが2003年に連隊長として着任し、部下を鍛え上げていくさまを記した実録本だ。隊員たちが「強くなりたい」「40連隊に戦闘技術の負けはない」として訓練に励み、成果を上げていく物語である。だが同時に、陸自のひとつの部隊が真正面から「敵に勝つ=戦争」に向き合った記録でもある。それはまさに、陸自部隊が「戦場」であるイラク復興支援に出ていく「前夜」に起きていたのだ。

 シリーズは19年1月に出た「偵察・潜入・サバイバル編」からはじまり、同3月の「CQB・ガンハンドリング編」、翌年3月の「戦法開発・模擬戦闘編」、そして同9月の「FTC対抗部隊編」まで続く4冊。ミリタリーマニアでない限り、本の中身は想像がつかないかもしれない。要は、40普通科連隊がそれまで陸自が取り組んでこなかったきわめて実戦的な偵察・敵地潜入のスキルを身につけながら「勝つための戦術」を編み出し、…

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社会部専門編集委員

1983年入社。甲府支局、社会部、サンデー毎日編集部、夕刊編集部副部長、前橋支局長などを経て、社会部専門編集委員。現在、コラム「掃苔記」を連載中。人生最終盤の緩和医療・ケア、ホスピスから死後の葬儀、墓問題までを「死周期」として取材している。さらに家族問題のほか、防衛大学校卒の記者として自衛隊をテーマにした著書も多数。著書に「宮崎勤精神鑑定書」「自衛隊指揮官」「沈黙の自衛隊」「自衛隊のリアル」「これからの葬儀の話をしよう」などがある。