高齢者医療費2割負担 「給付と負担」の本質的議論を

古賀伸明・前連合会長
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古賀伸明氏=内藤絵美撮影
古賀伸明氏=内藤絵美撮影

 菅義偉首相が議長を務める全世代型社会保障検討会議は、後期高齢者(75歳以上)の医療機関に支払う窓口負担を1割から2割に引き上げることを盛り込んだ最終報告をまとめ、12月15日に閣議決定された。01年に1割負担の仕組みを設けて以来の改革で、対象者は単身世帯で年収200万円以上とし、約370万人が見込まれる。

 一時、与党内部ではコロナ禍での負担増や、1年を切った衆院議員の任期満了による総選挙への影響を懸念してか、先送り論もあった。具体的議論がスタートしても、年収基準についての与党内部の調整が長引き、最後は菅首相と公明党・山口那津男代表のトップ会談で決着したが、検討会議は2度にわたり延期された。

 2025年には団塊世代が全て75歳以上の後期高齢者になることから、医療費の増加ペースは加速し、25年度には年55兆円と20年度より8兆円増加する見通しだ。65歳以上の比率がピークを迎える40年度には70兆円弱にまで達することが推計されている。後期高齢者の医療費は20年度に18.1兆円で医療費全体の4割を占める。

 一方、人口構造の変化から保険料負担の担い手が減少している中、現役世代による高齢者医療への拠出金負担は…

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古賀伸明

前連合会長

1952年生まれ。松下電器産業(現パナソニック)労組中央執行委員長を経て、2002年電機連合中央執行委員長、05年連合事務局長。09年から15年まで第6代連合会長を務めた。現在は連合総研理事長。