丑年に聞く

感染拡大で噴き出した格差のひずみ

海江田万里・元経済産業相
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海江田万里氏=須藤孝撮影
海江田万里氏=須藤孝撮影

 安倍政権が続いたのは7年8カ月だったが、その政策は1980年代のサッチャーとレーガンの新自由主義から続いてきたものだ。約40年間、ヘドロのようにたまったひずみが今回の感染拡大で一気に噴き出した。

 弱肉強食、競争万能、市場を相手に熾烈(しれつ)な戦いが行われることがいいことで、それを推進するのが政治の役割だという考え方が支配的だった。そして分断化された側が、本当は被害者であるにもかかわらず、他者をさらにたたけば自分が浮かび上がるかのような錯覚を持つようになった。いきつくところまでいった。

 ある程度いきつかないと、なかなか気がつかない。私自身も新自由主義的な色彩を帯びた「改革」を進めなければと思っていたこともある。しかし、事態がここまではっきりしてきたならば、これまでとは違うことをしなければならない。

 これからは市場の行きすぎとその結果として出てきた格差と分断の解消が政治の主要な役割になる。もちろん市場が公平・公正であり、透明性を確保する改革は必要だ。しかしそれとは別に市場の外の世界がある。市場の論理には乗れない人たちがいる。菅義偉首相がよく言う「自助努力」ができない人たちだ。…

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海江田万里

元経済産業相

 1949年生まれ。経済評論家を経て、93年衆院初当選。民主党政調会長、民主党代表などを歴任。立憲民主党常任顧問。党税制調査会長。衆院東京1区、当選7回。