潮流・深層

バイデン次期米大統領に立ちはだかる「穏やかな人たち」

古本陽荘・北米総局長
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米大統領就任式の準備が行われていた連邦議会を占拠するトランプ大統領の支持者たち=2021年1月6日、古本陽荘撮影
米大統領就任式の準備が行われていた連邦議会を占拠するトランプ大統領の支持者たち=2021年1月6日、古本陽荘撮影

 米大統領選で「大規模な不正があった」と信じて疑わないトランプ大統領の支持者が連邦議会に乱入した2021年1月6日は、米国の民主主義に危機が迫った日として歴史に刻まれるだろう。選挙結果を覆そうという行為は事実上のクーデターとみなされてもおかしくはない。暴徒化したトランプ氏の支持者は議会の建物内を荒らして回り、上院本会議場を占拠した。その映像が各種メディアで世界中を駆け回ったことで、「衰退する米国」というイメージがさらに強まったのも間違いないだろう。

 一方で、トランプ氏が事実上、けしかけた連邦議会の騒乱は、前向きな変化ももたらしたという評価もある。ワシントンの政界は、民主党と共和党とに真っ二つに割れ、一切妥協できない空気が支配していた。だが、トランプ氏の破滅的な言動に与党である共和党も反発を強め、民主、共和両党の指導部が、ともにトランプ氏を批判するという構図になった。…

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古本陽荘

北米総局長

1969年生まれ。97年毎日新聞入社。横浜支局、政治部、外信部を経て2018年12月から北米総局長(ワシントン)