コロナ社会を考える

国が妊婦を守る仕組みを コロナの「しわ寄せ」防いで

塩村あやか・参院議員
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塩村文夏氏=竹内紀臣撮影
塩村文夏氏=竹内紀臣撮影

 「助けてください」。1月13日、都立広尾病院で4月に出産予定の知人からメールがきた。「広尾病院から、コロナ専用病院に変わるので、ある病院に転院してくださいと突然言われました。費用面もあり都立にしたのに、急に30万円の自己負担を課せられ、到底払えません。有無を言えない状況に路頭に迷っています」

 彼女は広尾病院が「新型コロナ専用病院」となること、通院している妊婦は転院や差額の費用負担が必要となることをニュースで知ったという。「まさか」と思い病院に問い合わせ、自分も転院が必要だとわかった。転院先として紹介された病院の出産費用は高額で、紹介料なども含めれば約30万円の負担が生じてしまう。「都からは何の補助もありません。こういった場合、死産にして、なかったことにするしかないのでしょうか」

妊婦の負担、想像力欠く対応

 放ってはおけない。すぐに東京都に確認したが、事実だった。党の厚生労働部会で対応を話し合った。この問題はさまざまなニュースでも取り上げられ、小池百合子都知事は14日、転院で生じる出産費用の差額を都が支援する方針を打ち出した。

 新型コロナウイルスの感染拡大で医療が逼迫(ひっぱく)しており、都立病院を新型コロナ専用にすること自体は評価している。しかし、入院・通院患者に対する準備が何もされないままに発表され、当事者がうろたえてしまう状況を作ってしまったことは問題だ。都が費用負担できるのであれば、最初からそれを合わせて示すべきだった。

 出産する病院として都立広尾病院を選んだのには、費用が安い、自宅に近いなどそれぞれ理由があるはずだ。転院となれば、主治医や助産師さんが変わることに対する精神的な不安も生じる。転院先が遠ければ、移動の負担も増える。経済的にも、精神的にも、身体的にも大きな負担がかかるにもかかわらず、それに対する想像力が働かなかったのは問題だと思う。…

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塩村あやか

参院議員

1978年生まれ。放送作家、東京都議を経て2019年参院初当選。参院東京選挙区、当選1回。立憲民主党。