「幸福度」指標でコロナ禍をポジティブに変える

尾身朝子・衆院議員
  • 文字
  • 印刷
尾身朝子氏=岡本同世撮影
尾身朝子氏=岡本同世撮影

 日本のみならず世界全体が新型コロナウイルスとの闘いを継続する中、ともすれば、社会全体が不安に覆い尽くされようとしている。そこに、明るい国家ビジョンを示していくことが2021年の政治の大きな役割だ。

 コロナ禍は、経済を停滞させるだけではなく、人と人とが触れ合う機会を奪い、社会生活全般に多くの苦しみを生み出している。多くの方々が感染し、重症化したり亡くなったりするだけではなく、経済的な困窮により社会生活を営めない苦しみに耐える人もいる。日本社会は、感染防止対策をしながらも経済社会活動を止めてはいけない。苦しい状況だが、その中でも希望を見いだして活動し、より良い社会を目指していく1年にしなければならない。

コロナ禍での社会の変容

 コロナ禍はいや応なしに社会の変革をもたらした。最も大きな事の一つは、働き方が変わったことだろう。オンラインではできない業種を除き、在宅ワークを基本とする企業も増えた。これまで掛け声だけだった在宅勤務の推進が、半強制的ではあったものの、一挙にリモートワークとして広がった。理屈ではなく実態として、働き方が大きな変革を受けたことは、今後の社会の変容のきっかけとなるにちがいない。「働き方改革こそが少子化対策につながる」という意見もある。

 たとえば、住環境が大きく変わる可能性がある。なるべく会社近くの都会に住み満員電車で通勤する――という状況から、自然豊かな郊外や子育てしやすい環境がある地域への移住などの選択肢が広がる。

 さらにライフスタイルも変わってくるだろう。通勤時間に費やしていた時間を趣味の時間に変えたり、家族と一緒に過ごす時間を増やしたりできる。また、オンライン化は仕事以外でも世界中の人とつながる可能性を示してくれた。生活のリズムが変わることにより、新しい価値や気づきがもたらされるに違いない。

 コロナによる生活の変化は、子どもたちにも影響する。コロナ禍に伴い、リモート学習の機会が増えることに呼応して、パソコンやタブレット端末を1人1台配布する「GIGAスクール構想」の導入が急がれている。家庭を含むオンラインの環境が整備され、端末を1人1台使えるようになれば、それぞれの子どもに合った指導がいつでもどこでもできるようになるほか、子どもたちの学問への興味や意欲を高められる可能性がある。デジタル教材を充実させ、都市部と地方の教育格差を埋め、全国でハイレベルな教育も可能となるだろう。

 コロナ禍による社会の変容は、否定的なものばかりではない。住環境、ライフスタイル、教育環境が変わっていけば、たとえば東京一極集中を是正する動きにもつながっていくはずだ。これらの社会変革とそれに対応する政策の実現においては女性の視点が重要になることはいうまでもない。

「幸福度」指標を普及させたい

 社会の変革に合わせて、価値観の変化を提案していきたい。…

この記事は有料記事です。

残り1417文字(全文2604文字)

尾身朝子

衆院議員

 1961年生まれ。NTT社員などを経て2014年衆院選で初当選。自民党文部科学副部会長、外務政務官などを歴任。衆院群馬1区、当選2回。自民党細田派。