菅政権 強いものがより強くなってはいけない

亀井静香・元建設相
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亀井静香氏=玉城達郎撮影
亀井静香氏=玉城達郎撮影

 菅政権も少し危険な状況になりつつある。豊臣秀吉と同じだ。天下をとってしまうとキンキラキンなものがまわりに欲しくなる。秀吉も天下を取ってから間違えた。菅義偉首相も竹中平蔵氏や、小西美術工芸社社長のデービッド・アトキンソン氏など新自由主義者を重用しようとしている。彼らは力の強いものが、より強くなることに魅力を感じている人間だ。

 長くやりたいなら「百姓政権」だ。キンキラキンではなく鉛のように鈍くていい。カネもうけに走るようになってしまったら、おしまいだ。そのことは歴史的にも明らかだ。これは、あまり準備をせずに権力をとったものが陥りやすい過ちだ。難しい話ではない。権力を持つと人間は使いたくなる、という話だ。

 菅首相は説明不足と批判される。たしかに口は重いがそれはそれでいい。大平正芳(元首相)さんも口は重かった。演説は下手だった。あまりアピールすることばかり考えていてはいけない。

 菅氏とは横浜市議だったころからの知り合いだ。だから応援したい気持ちはある。でもダメだったら倒す。材料はいくらでもある。私は細川政権を倒した男だ。政権というものは、作るのは大変だが、倒れるのはあっという間だ。

政治は心の問題に手を出すな

 日本学術会議については、政府はカネを出せばいい。中身に干渉してはだめだ。学術会議を政府が気に入らないのは今に始まったことではない。前からだ。それでいいではないか。今になって気に入らないからといって攻撃するのはおかしい。

 政党だって共産党が現にある。政府は共産党が好きだろうか? 共産党が政界に存在するように、学問の世界でも政府が気に入らないものが存在するのは当然だ。政府が気に入らない団体があってもいいじゃないか。それでバランスが取れる。政府が気にくわなくてもそんなものに手出しをしてはいかん。やけどするよ。

 これは政府の度量の話ではない。学問・芸術・文化、心の問題に政治家は手を入れてはいけない。…

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亀井静香

元建設相

1936年生まれ。62年警察庁入庁。79年衆院初当選。13期。運輸相、建設相、自民党政調会長、金融担当相などを務めた。2017年衆院選に出馬せず引退した。