声なき声を捕捉せよ

「ワクチン」「五輪」で問われる政権の説明力

平田崇浩・世論調査室長兼論説委員
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宮城、福島両県で震度6強を観測した地震について取材に応じる菅義偉首相=首相官邸で2021年2月14日午前1時58分、西夏生撮影
宮城、福島両県で震度6強を観測した地震について取材に応じる菅義偉首相=首相官邸で2021年2月14日午前1時58分、西夏生撮影

コロナ改善の兆しで内閣支持率38%

 菅内閣の支持率は下げ止まったのだろうか。

 社会調査研究センターと毎日新聞が2月13日に実施した全国世論調査の内閣支持率は38%。依然、不支持率(51%)を大きく下回る低空飛行ではあるが、内閣の発足した昨年9月の64%から今年1月の33%まで下落したところで踏みとどまったように見える。

 5ポイントの上昇に転じた原因は明らかだ。菅内閣の支持率には新型コロナウイルスの感染状況と連動する傾向があり、その感染状況に改善の兆しが見え始めたことだ。緊急事態宣言が延長された10都府県では新規感染者数の減少で宣言解除が視野に入り、菅義偉首相が「感染対策の決め手」と繰り返すワクチンの医療従事者に対する接種開始も迫る。

 調査では、ワクチンに「期待する」との回答が81%に上り、1月調査の72%からさらに増加した。一般の国民が接種を受けられる見通しはなお示されていないが、出口の見えない閉塞(へいそく)感に淡い光が差し込んだようなイメージだろうか。

 ワクチンへの期待が支持率の下げ止まりにつながったのだとすれば、菅政権にとってはここからが正念場である。ワクチン接種の目的は、できるだけ多くの国民に接種を受けてもらい、社会全体で集団免疫を獲得することだ。ワクチンの効果や副反応について丁寧に説明し、国民の理解を得ながら進めなければならない。いつもの「説明は控える」姿勢では乗り切れない重大局面なのである。

 菅首相自身、よくわかっているから河野太郎行政改革担当相をワクチン担当相に指名したのだろう。河野氏に課せられた重大ミッションは、政府内の縦割りを排して全国津々浦々まで円滑にワクチンを届けること、そして、菅首相の苦手とする国民への説明役である。

 調査では8割がワクチンに期待しているにもかかわらず、自分がワクチンの接種を受けられる状況になったら「すぐに接種を受ける」と答えたのは39%で、「急がずに様子を見る」の52%を下回…

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平田崇浩

世論調査室長兼論説委員

1967年生まれ。広島県三原市出身。89年入社。97年から政治部。さいたま支局長、世論調査室長、政治部編集委員、論説委員を経て2020年から2回目の世論調査室長。