「はじめの一歩」船田元

私権制限は戦後初めて 慎重な運用が必要だ

船田元・元経済企画庁長官
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船田元氏=小川昌宏撮影
船田元氏=小川昌宏撮影

 日本が近代国家になってから、これほどのパンデミックは初めてだ。民主主義国家として、市民生活になるべく支障が起きないようにしながら、いかに感染を抑えるかが課題になっている。

 日本の感染者数、死亡者数が国際的には比較的低い水準なのは、順法精神の高さによるものだ。一方で、保健所の聞き取りに応じなかったり、入院先から逃走したりすることがあり、飲食店の営業時間短縮も従わない場合がある。それらを抑えなければ、有効な感染防止はできない。その意味では今回の罰則、私権制限はやむをえない。

 けれども、戦後の憲法のもとで私権制限を法律に従って実行に移すのは今回が初めてだ。2004年に成立した、武力攻撃を想定した国民保護法にも私権制限は規定されているが、実際には発動されていない。そのことを十分に認識したうえで、抑制的に使っていなければならない。

国会議員みんなでおわび

 国民に私権制限をお願いするならば、政府であれ国会であれ、国民の信頼が前提になる。私の地元の栃木県では緊急事態宣言の対象になった際、飲食店の99%が営業時間短縮に協力した。このことによって急速に感染者が減少した。

 残念なのは国民にお願いをしている最中に、一部の国会議員が決まりを破ったことだ。本当に国会議員みんなでおわびをしなければならない。…

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船田元

元経済企画庁長官

1953年生まれ。79年衆院初当選。自民党青年局長、経済企画庁長官、党憲法調査会長などを務めた。92年に経済企画庁長官として入閣した際は39歳で、当時戦後最年少だった。衆院栃木1区、当選12回。憲法問題では与野党を超えて信頼される。